2021 Fiscal Year Research-status Report
Neural mechanisms of competition between selective attention and divided attention in episodic memory
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17K18116
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
重宗 弥生 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (70547273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 報酬 / 罰 / 記憶 / 注意 / 脳機能イメージング / fMRI / 認知神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
『二兎を追う者は一兎をも得ず』と古くからのことわざで言われるように、2つの獲物(報酬)を同時に得ようとして結局どちらも獲得することができない、ということは誰しも経験があることであろう。このような現象は報酬に関係するものに注意を集中させようとする選択的注意の機能と、一度に複数のことを行うために注意を配分する分割的注意の機能が競合することによって引き起こされると考えられる。本研究では、この選択的注意と分割的注意の競合が記憶に与える影響とその脳内メカニズムをアイトラッカーとfunctional Magnetic Resonance Imaging (fMRI)を用いて検討する。 令和3年度は、金銭報酬による選択的注意と分割的注意の競合についての研究を進めると共に、ギャンブル依存傾向の高い問題ギャンブラーを対象にしたギャンブル課題中の注意の分割と瞳孔径についての研究と、パーキンソン病患者を対象にした内発的動機付けについての研究を進めた。選択的注意と分割的注意の競合についての研究は、fMRIとアイトラッカーのデータ解析が完了し、得られた成果を論文としてまとめているところである。問題ギャンブラーを対象にした研究は、成果をまとめた論文が国際的な学術誌で査読中であるのに加えて、新たな実験データの収集が行われているところである。パーキンソン病患者を対象とした研究は、成果をまとめた論文が国際的な学術誌から、修正により掲載の可能性ありとの判定を受けたため、再投稿に向けた修正を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
選択的注意と分割的注意の競合についての研究では、新型コロナウィルス感染症による研究の制限により進行に遅れが出ていたが、論文として報告するに足る研究成果を得ることができた。また、問題ギャンブラーを対象とした研究とパーキンソン病患者を対象とした研究では、既に学術誌に掲載された論文が1報あり、投稿中の論文2報の内、1報は修正により掲載の可能性ありの判定を受けるなど、順調に成果をあげることができているため、全体的な達成度としては「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
選択的注意と分割的注意の競合についての研究は、学会発表や論文投稿の準備を進めていく。問題ギャンブラーを対象とした研究と、PD患者を対象とした研究は、論文掲載を目指した対応を行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主要な理由は、想定したほど3T-MIR設備利用費と実験参加者への謝金がかからなかったためであり、これらの予算を投稿論文の英文校正、投稿費、掲載費、別刷り代など、成果発表のための予算として使用していく予定である。
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