2017 Fiscal Year Research-status Report
Study on transition and propagation of copper alloy design technology in South Caucasus and West Asia
Project/Area Number |
17K18119
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
藤澤 明 帝京大学, 文化財研究所, 講師 (70720960)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 銅合金 / 青銅 / 分析 / コーカサス / 西アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本科研費の初年度であり、新規研究の準備及び継続研究を実施した。 新規研究では、2017年7月27日から8月2日までイランイスラム共和国へ渡航し、イラン国立博物館と共同研究実施の打ち合わせおよび資料調査を行った。その結果、イラン国立博物館は多くの銅合金製資料を所蔵しており、イラン北西部の遺跡から出土した資料を研究対象とすることで合意し、覚書の取り交わしを完了した。これまでのコーカサスでの調査結果とイラン国内で出土した資料の比較研究を行う予定である。研究方法は、当初の予定通り、最初の段階では非破壊で調査を行うものの、必要に応じて微量サンプルを採取し、可能であればイランで、それが困難であれば日本において分析を行う許可を得ることができた。 継続研究では、2017年11月1日から11月12日までジョージアへ渡航し、継続研究実施に当たり、ジョージア国立博物館および文化遺産保護庁と帝京大学との間で覚書を交わすことで合意し、手続きを完了した。継続調査では、国立博物館が所有する後期青銅器時代の銅合金製資料27点の分析調査を行った。その結果、後期青銅器時代には、純銅製資料が使用されていないことが判明した。また、これから実施する鉛同位体比分析の打ち合わせと試料採取を行った。また、今後実施する鉛同位体比分析に向け、現地での銅鉱石及び鉛鉱石の産出状況を確認し、また追加調査を依頼した。現在は本国において鉛同位体比分析用試料の顕微鏡を用いた金属組織観察および前処理を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イランイスラム共和国では、共同研究の許可が得られ覚書を締結することができた。また、必要にお応じて試料採取の許可を得ることができた。ジョージアでは調査継続に伴い、覚書の取り交わしを行った。継続調査として分析対象を増やし、さらに鉛同位体比分析用試料の採取を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
イラン国立博物館との共同研究では、現地に蛍光X線分析計を持ち込み、非破壊分析を実施する。この結果を元に鉛同位体比分析用試料の採取を行う予定である。ジョージア国立博物館との共同研究では、共同研究者を本国へ招聘し、鉛同位体比測定を実施する予定である。また、現地での非破壊分析も継続し、後期青銅器時代の装飾品を約30点分析することとする。
|
Causes of Carryover |
本年度は研究開始年度であり、共同研究実施体制の整備を主に実施した。このため測定データを多く集めることができなかったので、アルバイトによる測定データ整理を行わなかった。これにより謝金が発生しなかった。来年度は測定を進める予定であり、分析補助及びデータ整理のためにアルバイト謝金を使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)