2018 Fiscal Year Annual Research Report
Tail asymptotics of a stationary distribution of a reflecting random walk and its application to queueing networks
Project/Area Number |
17K18126
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 正弘 東海大学, 理学部, 准教授 (90609356)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 反射型ランダムウォーク / 待ち行列理論 / 定常分布 / 漸近解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,2次元の一般化反射型ランダムウォークに対して定常解析を行い,その成果を論文誌に発表を行った。 ランダムウォークに対して,境界を加え,非負整数に推移を制限した離散時間型確率過程を反射型ランダムウォークと呼ぶ。さらに,その推移をマルコフ変調させ,行列型の推移構造を持つ反射型ランダムウォークを一般化反射型ランダムウォークと呼ぶ。 2次元の反射型ランダムウォークに対して,定常分布及びその周辺は盛んに研究がされており,多くの理論的結果が求められている。しかし,2次元の一般型反射型ランダムウォークの定常解析については,一部の結果しか求められておらず,それらの結果に対してもモデルに強い仮定を行っている。本研究では,それらの仮定を取り除いて,2次元の一般化反射型ランダムウォークの定常解析を行い,既存研究より一般的な結果を得ることができた。 2次元反射型ランダムウォーク及び一般化したモデルに対して,定常分布を陽表現で求めることは困難とされている。そのため,多くの定常解析に関する研究は,定常分布が存在する条件や定常分布の裾の漸近特性などを求めている。2次元の一般化反射型ランダムウォークに対しては,安定条件はOzawa(2019)で結果が導出されている。本研究では,その安定条件の下,定常分布の裾の漸近特性を求めた。定常分布の裾の漸近特性は,レアイベントの確率の近似公式として利用することができるため,待ち行列の性能評価に応用が可能である。 本研究の結果は,「Exact asymptotic formulae of the stationary distribution of a discrete-time two-dimensional QBD process」というタイトルで論文誌「Queueing Systems」に掲載された。
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Research Products
(3 results)