2019 Fiscal Year Research-status Report
Development and regenerative research of a novel primate model of cerebral infarction
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17K18130
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小松 鉄平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60723856)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳梗塞モデル / 霊長類 / 低侵襲 / デジタルサブトラクション血管撮影装置 / 高磁場MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞後遺症に対する再生医療に期待が集まり、経動脈的細胞投与の検証が可能な脳梗塞動物モデルが求められている。また脳梗塞動物モデルはマウスなど齧歯類を使われることが多いが、新規治療法開発を目指した前臨床研究にはヒトに近い霊長類の脳卒中モデルが必要である。我々は、デジタルサブトラクション血管造影装置を用いた経皮的尾動脈穿刺によるラット血管造影に世界に先駆けて成功した。これを発展させ、超低侵襲かつ標的血管選択性の高い、そして繰り返し経動脈的細胞投与が可能な新規脳梗塞霊長類モデルを確立する。そして幹細胞を用いた脳梗塞再生に向けて、高磁場MRIによる脳梗塞後の神経障害と神経線維再生のイメージングを行い、幹細胞の投与方法や投与時期、投与部位を検討する。脳梗塞の再生医療を実現することで超高齢社会のニーズに応える。 2019年度、デジタルサブトラクション血管造影装置を用いた経皮的尾動脈カテーテル挿入によるラットとマーモセットの脳血管撮影の手技を確立した。手技方法について論文にまとめ投稿中である。 2018年度に実施していた経皮的尾動脈カテーテル挿入によるラット中大脳動脈選択的塞栓術については成功率が低い(75%)ことが問題であった(論文作成中)。2019年度、塞栓物質を新たに開発し、ラット中大脳動脈選択的塞栓術の成功率が9割以上となった。開発した塞栓物質について、特許を申請した(特願2019-206618)。またラット中大脳動脈選択的塞栓術24時間後の9.4テスト高磁場MRIの撮像に成功した。具体的にはT2 weighted image、拡散強調像、MRアンギオグラフィの撮像法に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットにおいて確立した脳梗塞モデル作製法をマーモセットに応用する予定であったが、ラットの脳梗塞モデル作製法の確立が遅れたことより、マーモセットへの応用が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長し、2020年度にマーモセットの脳梗塞モデル作製を行いたい。ただ、新型コロナウイルスの影響もありマーモセットの購入が困難となっている。マーモセットの実験が進まない場合には、ラットの脳梗塞の詳細な評価を行う。9.4テスラの高磁場MRIによる、磁化率強調像、動脈スピン標識、拡散テンソルイメージングなど様々な撮像法を用いることで、脳梗塞や脳血流、ペナンブラ、脳梗塞後の神経経路変化など様々な視点からの詳細な評価を行う。活動量測定検査やビデオ撮影による関節可動性評価などを用いて多面的に歩行状態や運動量を評価する。 またラット中大脳動脈閉塞脳梗塞モデルに対して、幹細胞の経動脈的投与の検証を行う。
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Causes of Carryover |
実験の進捗が遅れマーモセットを購入しなかったため。2020年度はマーモセットを購入し、マーモセットの脳梗塞モデルを作製する。
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Research Products
(2 results)