2017 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞シートを用いた脳梗塞モデルに対する神経再生研究
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17K18132
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
劉 美憬 東京女子医科大学, 医学部, 医療練士研修生 (10770985)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経再生 / 血管新生 / 細胞シート / 間葉系幹細胞 / 脳梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ラット脂肪由来の間葉系幹細胞シートを用いて、脳虚血モデルに対する神経再生に関して検討を行った。 これまでにSD ratに対してIntraluminal Lt. middle cerebral artery occlusion (MCAo)により脳梗塞モデルを作成し、GFP-Tg ratからpreparationした脂肪由来-間葉系幹細胞(ASC)シートを脳虚血作成後2日目にratの脳表へ移植してきた。移植7日目の免疫染色において、移植したASCが新生血管に沿って脳実質内へ遊走している所見を認め、移植細胞の一部は新生血管の壁細胞にペリサイトとして生着していた。 また、ASC細胞シート移植により惹起された新生血管はホストの脳内血管と吻合しており、機能血管であることが示唆された。神経再生の観点からも、DCX陽性細胞を染色してみると、細胞シート移植群はVehicleと比較して有意にSVZとSGZにおけるDCX陽性細胞が増加していた。同様に脳表におけるDCX、SOX2陽性細胞を染色し、移植後の脳で神経再生が起こっている可能性を発見した。 神経再生、血管新生の半定量的評価、経時的評価として、移植後の脳(細胞シートを含む)を採取し、RT-PCRによる血管関連mRNAや神経再生関連のmRNAの測定を行った。結果として、移植翌日から神経再生や血管新生を誘導するようなmRNAの上昇が認められており、細胞シート移植がそのinitiationを行っている可能性がある。また、慢性期である移植後28日目においてもこれらのmRNAの上昇が有意に認められており、他家移植ではあるものの比較的長期にも治療効果が維持されている可能性があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年3月末の時点で、本研究において当初より予定していた実験内容の施行は計画通りに進められている。現時点までに得られたデータをもとに国内、国際での学会発表を行い、現時点での課題や問題点を確認した。 現在は、不足していると思われる実験データや、得られた結果に対する課題、考察を踏まえて、更に必要な実験データの収集、実験計画の修正などを行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた実験データをもとに結果を考察し、それらの得られた結果を肯定することができるような追加実験データ、起こった結果に関するメカニズムの究明に関して更なる追加実験を行う。 本研究における脳梗塞に対する神経再生能に関して、学会発表を行う。 また得られた結果をもとに論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
支払い請求額を前倒しする必要が無いよう、本年度使用できる範囲での使用計画を立てて研究を行った。その結果、適切な範囲での残額となった。次年度に繰り越し、実験に必要な物品、学会発表費用などにあてることで更なる実験の発展を期待する。
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