2019 Fiscal Year Research-status Report
神経細胞ネットワーク機能の評価による神経発達障害の病態解明
Project/Area Number |
17K18133
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
下島 圭子 東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (30578935)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 疾患iPS細胞 / シナプス / スパイン / アストロサイト / 神経分化誘導 / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経発達障害を示す患者由来iPS細胞を用いたこれまでの研究から、患者由来細胞ではシナプスの形成不良や、ニューロンの神経電位活動の低下を示すことが明らかになってきた。一方、これまでに単に指示組織であると考えられてきたアストロサイトにも、神経活動を担う機能があることが近年明らかになりつつある。ただし、実際の患者由来細胞でそのことが示されたという報告はない。そこで本研究では、神経発達障害を示す患者由来iPS細胞を用いて、ニューロンだけではなく、アストロサイト等の神経系細胞に分化誘導させて、細胞間ネットワーク機能を評価することによる病態解明を行い、新たな知見を明らかにすることを目的とする。 今年度はiPS細胞からアストロサイトへの分化誘導に向けて取り組んだ。方法論としては、複数の先行論文に記載されている手順に沿って検討した。特にCiRAから報告のあったKondoらの方法(Acta Neuropathol Commun.2016)では、我々が当初より神経分化誘導法として用いていたembryoid bodiesを介する培養方法であり、我々の実験系に親和性があると考えた。embryoid bodiesから遊走してきた細胞をさらにreseedし、神経分化誘導因子を添加した培地へ切り替えることによってアストロサイトへの誘導を試みた。現在、アストロサイトへの分化が成功しているかどうか複数の方法で検証しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究を遂行し、アストロサイトへの分化誘導まで順調に研究を遂行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患アストロサイトがニューロン間におけるネットワークに与える影響を評価する。具体的には、神経発達障害患者由来アストロサイトと正常コントロール由来ニューロンとを共培養させた状況で、正常なはずのニューロンの機能障害が示されれば、シナプス機能はアストロサイトの機能障害によっても生じることが示されることとなる。 アストロサイトの機能障害が示された場合、その機能障害の本質を明らかにするために、網羅的な遺伝子発現の状態などを解析する。また、患者由来ニューロンと正常コントロール由来アストロサイトの組み合わせでも同様の解析を行って比較し、病態解明をすすめる。
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Causes of Carryover |
前年度に購入した試薬を本年度にも続けて使用して研究を遂行できたため。
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[Journal Article] Genomic backgrounds of Japanese patients with undiagnosed neurodevelopmental disorders.2019
Author(s)
Yamamoto T, Imaizumi T, Yamamoto-Shimojima K, Lu Y, Yanagishita T, Shimada S, Chong P-F, Ryutaro Kira R, Ueda R, Ishiyama A, Takeshita E, Momosaki K, Ozasa S, Akiyama T, Kobayashi K, Oomatsu H, Kitahara H, Yamaguchi T, Imai K, Kurahashi H, Okumura A, Oguni H, Seto T, Okamoto N.
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Journal Title
Brain and Development
Volume: 776-782
Pages: 41(9)
DOI
Peer Reviewed
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