2022 Fiscal Year Annual Research Report
Critical Analysis of Dysfunction of Real-time Disaster Damage Simulation System: "SPEEDI" and Other Cases
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17K18139
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
寿楽 浩太 東京電機大学, 工学部, 教授 (50513024)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SPEEDI / 科学技術社会学 / 構造災 / 政策の失敗軌道 / リアルタイム被害予測システム / シミュレーション / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、すでに実証的な研究成果を挙げていたが、当初計画の最終年度の終盤から新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、研究の総仕上げと位置づけていた関係者ワークショップ(WS)を実施できない事態となり、日本学術振興会の措置を受けて研究期間の延長を数次にわたり申請し、受理されてきた。 2022年度においては感染拡大の収束によりWSが実施可能となることに期待し、特に年度後半からは所属校を含む各研究機関等の出張や会合に関する様々な制約も緩和されてきた。 しかしながら、本研究の後続として開始していた別の科研費研究課題も同様の事情で研究進捗が遅れているところ、むしろ関係者WSについてはそちらに引き継ぎ、2023年度に十分な準備とより改善した社会環境のもとで開催する方が実り多い者と判断し、本件課題の最終年度での開催を断念した。 本研究については、すでに過年度において多くの成果出版、発信を行っている。2021年度には科学技術社会論学会主催のシンポジウムでの招待講演を行っていたが、2022年度には同学会学会誌への短報論文が掲載された。2021年度には4S (Society for Social Studies of Science)の年次研究大会(2021年10月)での発表、米国原子力学会(ANS)の論文誌Nuclear Technologyの「原子力の社会科学の新機軸」特集号への論文(研究代表者が筆頭著者)掲載などもあった。 また、研究代表者は東京大学、千葉大学等で複数の科目を非常勤講師として授業を担当し、その中でも本研究の研究成果を紹介しつつ科学技術社会論ならびに科学技術の社会学の学術的・社会的意義を解説し、履修学生から肯定的なフィードバックを多数得た。 最終年度の計画の中核であったWSの不開催は大変残念ではあったものの、学術的にも社会的にも所期の成果を十分に挙げたものと判断している。
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