2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of local deformation measurement system at high temperature
Project/Area Number |
17K18144
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
井上 遼 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 助教 (60756295)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 変形計測 / 画像相関法 / コーティング / 複合材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、セラミックス系複合材料などの高温構造部材の信頼性評価に不可欠な加熱・冷却時の材料の変形計測技術の開発を行った。昨年度は、1000℃を超えても変形分布計測をできる技術を確立した。熱による変形量が既知であるサファイアを標準試料とし、1200℃までの変形分布計測を試み、種々の材料、粒子の大きさのセラミックス粒子から構成されるスラリーを用い実権を行い、粒子の大きさが重要であることがわかった。室温で既知の面内変位を与え計測した結果、ほぼ実験値と一致した。多結晶Al2O3を用いて同様の実験を実施した結果、ほぼ同様の傾向が得られた。 当該分野での有用性を示すために、複合酸化物とSiの多層膜をSiC基材上に成膜した状態で熱変形計測を行った。これらのコーティングは耐環境性コーティングと呼ばれ、溶射法によって成膜した。コーティングの平均のひずみ量はTMAによる計測結果とよく一致していた。溶射時の急冷凝固に起因するアモルファス相が結晶化することでマッドクラックと呼ばれるネットワーク上の割れが生じることが知られていた。一方、これまでそれを裏付ける実験的な取り組みは報告されていなかった。本研究ではひずみ計測を行うことによって、この現象をその場観察するだけでなく、どこがどのように変形し割れが生じているかを明らかにすることができた。これらの成果は学術論文として出版されている(Inoue et al. J. Mat.Sci(2019))。 総括すると、本研究では1000℃以上で生じる変形を定量的に計測する手法を開発でき、その有用性を検証することができた。現在、セラミックス系複合材料に適用を試みているところであり、当該分野の発展に大いに貢献できると期待できる。
|
Research Products
(2 results)