2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effectiveness of stress coping on sleep disorders
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17K18155
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大塚 雄一郎 日本大学, 医学部, 助教 (40748399)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレスコーピング / 労働者 / 睡眠障害 / 不眠症 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠障害は現代社会において重要な疾病である。厚生労働省は睡眠障害に関する指針を掲示しており、その中では睡眠とストレスの関連性は示唆しているが、具体的なストレスへの対処方略(ストレスコーピング)には言及してない。また、睡眠障害に関するストレスコーピングの有効性についてのエビデンスは乏しいのが現状である。本研究では、コホート研究および系統的レビューを行い、睡眠障害に関するストレスコーピングの有効性を検討することが目的である。本研究では、同一の労働者集団を対象に、平成30年度と令和2年度に自記式質問票による調査を行った。ベースライン調査時の 1,855人の労働者のうち 1,358人を追跡調査することができた。不眠症の症状のある人は、不眠症の症状のない人よりも、不適応なストレスコーピングを多用し、ユーモアや道具的なサポートのコーピングが少ないことを示した。また、積極的な対処、ユーモア、情緒的サポート、および道具的なサポートは、不眠症の重症度と負の関連があった。一方、感情表出、アルコール・薬物使用、行動的離脱、自己非難は、不眠症の重症度と正の関連を認めた。この研究では、不眠症の症状がある人は、不眠症の症状がない人よりも、適応的対処方略と不適応的対処方略の両方を使用するものの、不適応的方略を使用する可能性が高いことが示された。 将来的には、適応的対処方略について人々を教育することに焦点を当てた介入を実施して、対処方略が不眠症の症状を予防できるかどうかを判断する必要がある。系統的レビューとメタ解析では、ストレスコーピングと睡眠障害に関する縦断研究に関して、2200本の文献から最終的に6本の論文を抽出した。その結果、非機能的なコーピングは不眠症と弱い相関関係があることが分かった。
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