2021 Fiscal Year Research-status Report
鍵盤楽器に対する演奏表現の特徴抽出ならびに教育用可視化システムの構築
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17K18158
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三戸 勇気 日本大学, 芸術学部, 准教授 (10451303)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モーションキャプチャ / チェンバロ / グランドピアノ / 電子ピアノ / 可視化システム / 演奏動作 / 感情価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、鍵盤楽器を対象として、演奏動作と感情の関係を解明していくことにある。また、その結果を用いて教育用可視化システムを作成することで教育へ活用することがゴールである。本研究で検討している鍵盤楽器は、電子ピアノ、グランドピアノ、チェンバロである。その理由は、それぞれの楽器の特性が異なるからである。電子ピアノは、鍵盤のタッチレスポンスがグランドピアノとは異なる。また音色も同様にグランドピアノと異なる。チェンバロは、鍵盤楽器ではあるが撥弦楽器のため、ピアノのように音の強弱はつけられない。これらの3種類の鍵盤楽器による演奏表現の方法について、プロの演奏家と研鑽過程の音大生の比較を行った。2020年度までは、プロの演奏家と音大生の演奏家を合わせて、10名計測することができた。2021年度は、プロの演奏家の演奏動作を分析し、複数の演奏動作からの相違について検討することができた。そして、演奏教育用のためのグラフィカルな提示システムを開発も進めることができた。これらの結果を利用することで、研究結果が演奏の教育の場で活用することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までモーションキャプチャシステムを用いて、チェンバロ、電子ピアノ、グランドピアノの3つの鍵盤楽器の演奏動作を計測してきた。当初の計画通り、現在までプロの演奏家と大学生の合計10名以上を計測することができた。ただ、新型コロナウイルスの影響で、令和2年度ならびに令和3年度に予定していた計測に遅延が生じた。このことにより、研究が令和4年度まで研究を延長せざるを得なくなった。ただし、平均モーション法や、教育用可視化システムへの制作などは、予定通り行っているため、おおむね順調 に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、過年度に加えて、鍵盤楽器のプロの演奏家と音大生の演奏家の人数を増やすことにより、モーションデータをさらに集めていく。また、心理評価についても被験者を増やしていく予定である。その聴取者の印象評価と演奏者の演奏意図との関連について分析を行っていく。それらの結果から、動作と音色、演奏の印象評価による相互関係が検討でき、動作と心理感覚量の定量化を行っていく。また、教育用可視化システムの構築し、その可視化システムを実際の楽器のレッスンで使用してもらうことで、演奏家にとって有意義であるかどうかの評価を行う。その工程を繰り返すことにより、可視化システムの再構築でき、最終的に可視化システムを完成させることが可能となる。演奏動作解析、音色分析、演奏印象評価による相互関係を検討することにより、演奏動作と心理感覚量の定量化を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、令和2年度ならびに令和3年度に予定していた計測に遅延が生じた。このことにより、研究が令和4年度まで研究を延長せざるを得なくなった。本来、令和2年度ならびに令和3年度に行う予定であった計測ならびに分析を今後行っていく予定である。
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Research Products
(5 results)