2018 Fiscal Year Research-status Report
折紙構造を利用した防振機構の形状最適化と性能評価に関する研究
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17K18166
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石田 祥子 明治大学, 理工学部, 専任講師 (40636502)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 展開構造 / 形状モデリング / 防振・免振 / 振動解析 / 折紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
折紙を基に生まれた折りたたみが可能な構造(折紙構造)の注目点はその形状変化だけではない.構造が持つ力学的・機械的特性を解明すると,形状変化以外の新たな機能を創出し工学的な付加価値を生む.本研究では,折紙構造の双安定な伸縮挙動に着目した防振器を設計,問題点を解決し,その防振性能を実験により評価,防振原理を理論的に明らかにすることを目的としている.2018年度は以下の点に取り組んだ.
・初期荷重の変更に適応可能な防振器の検討 本防振器は,コイルばねを組み合わせることによってばね定数が0となる変位領域を作り出し,その変位領域において防振を行う.2017年度までの研究により,本防振器は良好な防振性能が得られることが数値解析および実験により明らかとなった.しかし,複数のコイルばねを組み合わせるために部品点数が多く構造が複雑になり,精密な寸法決めおよび位置決めが要求される.そこで,2018年度は,より構造を簡略化するために,折紙構造とその内部の空気圧によって荷重を支持する防振機構について検討を行った.有限要素解析により折紙構造のばね特性を解析したところ,折り目を回転ヒンジとしてモデル化すれば,従来のコイルばねと同様に,ばね定数が0となる変位領域を得られることが明らかとなった.数値解析の結果をもとに,2019年度は防振器を試作し加振実験を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗は良好である. なお,実験設備の都合上,取り組むべき研究テーマの順番を一部入れ替えて対応している.
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Strategy for Future Research Activity |
数値解析の結果,コイルばねを組み合わせる代わりに折紙構造を利用しても必要とされるばね特性が得られることが明らかになったため,折紙構造を用いた防振器の設計・製作および加振実験による性能評価を行う.折り目はヒンジのように大きな力をかけずに回転することのできる機構に設計すること,また,支持する荷重にあわせて内部の空気圧を変化できる構造にすることが設計の鍵となる.
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Causes of Carryover |
有限要素解析ソフトウェアは,所属学科で共有しているものを使用できたため安価に抑えることができた. 2018年度の研究成果の発表にかかる費用(学会参加費,交通費等)および今後試作する防振器の材料費,製作費として充当する.
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Remarks |
学術情報誌Nextcom(KDDI総合研究所)37巻「5年後の未来を探せ」「折紙に秘められた新しい問題解決の糸口を探る」 https://rp.kddi-research.jp/nextcom/volume/37
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Research Products
(5 results)