2019 Fiscal Year Research-status Report
折紙構造を利用した防振機構の形状最適化と性能評価に関する研究
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17K18166
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石田 祥子 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40636502)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 展開構造 / 形状モデリング / 防振・免振 / 振動解析 / 折紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
折紙を基に生まれた折りたたみが可能な構造(折紙構造)の注目点はその形状変化だけではない.構造が持つ力学的・機械的特性を解明すると,形状変化以外の新たな機能を創出し工学的な付加価値を生む.本研究では,折紙構造の双安定な伸縮挙動に着目した防振器を設計,問題点を解決し,その防振性能を実験により評価,防振原理を理論的に明らかにすることを目的としている.2019年度は以下の点に取り組んだ.
・防振しきい値の理論的解明 現在の試作防振器は,6Hz以上という限られた周波数域において効率的に振動を低減できることが加振実験によって分かっていたが,防振器の形状と6Hzというしきい値の関係を説明できていなかった.2019年度は,同じ試作防振器において加振周波数と振動振幅を変化させて詳細な実験を行い,試作防振器の共振周波数が振動振幅に依存することを明らかにした.つまり,6Hzという値は試作防振器の形状に固有な値ではなく,入力によって変化する.振動振幅が大きくなるほど共振周波数が高くなることは,非線形振動を表すDuffing方程式で理論的に説明できるが,本実験では,振動振幅が大きくなるほど共振周波数が低くなる逆の現象が見られた.このことは,ばねの組み合わせで構成される防振器のばね特性が展開時と収縮時で異なる影響(ヒステリシス)を考慮すると,Duffing方程式を用いて説明できることが明らかとなった.本成果は,2020年度アメリカ機械学会IDETC2020にて口頭発表の予定である.また,学術論文として発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
防振器の非線形振動挙動について,実験と理論の両アプローチで研究成果が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果をとりまとめ,論文の執筆と学会での成果発表を行う.
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Causes of Carryover |
論文の英文校正にかかる費用,学会参加旅費に充当する.
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