2023 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural Intersection of France and French Indochina: A Franco-Vietnamese Writer's Perspective
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17K18170
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
平賀 美奈子 (河野美奈子) 立教大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20795570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フランス文学 / フランス語 / ベトナム語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「フランスと仏領インドシナの文化的交差-仏越作家の視点」というテーマのもと、1920年代から30年代にかけての仏領インドシナにおけるフランス人入植者とベトナム人知識人について研究することを目的としている。 2023年度の主な研究の成果としてはケベック州に関する雑誌の連載、日本ケベック学会全国大会での発表、共著『ケベックを知るための56章』の出版が挙げられる。 また、コロナ禍によって海外調査が滞っていたがベトナムのホーチミン・シティに赴くことができた。ホーチミン・シティではベトナム国立第二公文書館とホーチミン総合科学図書館で資料収集を行った。公文書館では、主にベトナム生まれのフランス人作家マルグリット・デュラスに関する資料を探した。小説では主人公の通った高校として描かれているシャスルーロバ高校(現レ・クイ・ドン高校)が、今回見つかった資料により政治的にも重要な機関であったと考えられたため、研究の成果として発表したい。 研究期間全体を通じて、2017年度はデュラス作品におけるインドシナ表象について研究し、その研究の成果を世界文学・語圏横断ネットワーク第8回研究集会にて発表した。2018年度は前年度に行ったベトナムでの研究調査で集めた資料の分析を行いながら、アジアを描いたデュラスの映画作品について研究し、その成果を日本映像学会アジア映画研究会にて発表した。2019年度はベトナム人知識人からの視点として、インドシナ下でフランス式教育を受け、新聞の出版とフランス文学の翻訳を行っていたグエン・ヴァン・ヴィンについて研究しその研究の成果を論文としてまとまた。論文は立教大学ランゲージセンター紀要第43号に掲載されている。2020年度、2021年度、2022年度はコロナ禍と自身の出産などが重なり研究計画の変更を余儀なくされたが、それでも各年論文の執筆または研究発表を行ってきた。
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Remarks |
河野美奈子 月刊誌『ふらんす』(白水社)連載「ケベックの今」 2023年4月から2024年3月まで
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