2017 Fiscal Year Research-status Report
Application of truth to legal judgement and its consequences
Project/Area Number |
17K18173
|
Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
伊藤 克彦 和光大学, 現代人間学部, 非常勤講師 (50586914)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 認知的民主主義論 / パーシアンデモクラシー / C.S.パース / C.ミザク / 真理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては「ウィギンズの真理論」「真理と民主主義論」「真理と法理論」という3つのテーマを考察する予定であるが、2017年度では研究計画の中における「真理と民主主義論」、すなわち民主主義と真理の関係について特に集中的に研究した。真理と民主主義の関係においては、現在「認知的民主主義論」と呼ばれる議論が英米圏で盛んであり、その展開も抑えつつ、認知的民主主義論の中でもC.S.パースの真理論を参照しながら、その真理論を熟議民主主義論と接続しようとするC.ミザクの議論に注目した。ミザクの立場はしばしば「パーシアン・デモクラシー」とも呼ばれている。この研究成果は「パーシアン・デモクラシーの射程:C.Misakの議論を中心に」という論題で2017年度の日本法晢学会および東京法哲学研究会で報告した。同時に、本研究の柱となるD.ウィギンズの真理論、およびそこから派生する「弱い認知主義」という立場についても、並行して検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては「ウィギンズの真理論」「真理と民主主義論」「真理と法理論」という3つのテーマを考察する予定であるが、2017年度では「真理と民主主義論」の問題を中心に考察し、学会報告という形で暫定的な研究経過を発表することができた。また「ウィギンズの真理論」についてもある程度の研究方針の着想が得られたため、おおむね順調に進展していると考えている。ただし「真理と法理論」についてはまだ研究が未着手の部分があるため、今後はこのテーマについても研究を進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」でも挙げたように、本研究は「ウィギンズの真理論」「真理と民主主義論」「真理と法理論」という3つの柱から成り立つが、2018年度では、できるだけ早く2017年度の学会報告の内容を加筆修正して論文を公刊し、「ウィギンズの真理論」の部分の研究に尽力する。2018年度は「ウィギンズの真理論」において学術論文公刊を目指し、この作業を前倒しできるようにする。余裕のある時間は「真理と法理論」の部分について、並行して作業を進めることにする。
|
Research Products
(1 results)