2018 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋量増加に向けた朝食のタンパク質摂取の重要性と体内時計の関与に関する研究
Project/Area Number |
17K18176
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
青山 晋也 早稲田大学, 重点領域研究機構, 次席研究員(研究院講師) (00757677)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時間栄養学 / タンパク質栄養 / 筋肥大 / 分岐鎖アミノ酸 / 筋分化 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では筋量増加に向けた朝食でのタンパク質摂取の重要性について、体内時計を中心にその作用機構を解明することを目的に協働筋切除による筋肥大モデルマウスを用いて検討する。 昨年度までにマウスを1日2食(活動期初期の食餌を朝食、後期の食餌を夕食とした)の制限給餌下で飼育し、骨格筋の肥大を協働筋切除モデルで評価した場合、朝食に多くのタンパク質を摂取しているマウスでは均等に摂取したマウスや夕食に多く摂取したマウスに比べて筋肥大が促進され、このような作用は時計遺伝子の一つであるClockに変異の入ったClock mutantマウスではみられないことがわかった。 本年度では、昨年度に実施していた血中、筋中のアミノ酸レベルの日内変動に加え、骨格筋機能に関わる遺伝子発現の日内変動について検討した。その結果、一部の筋分化関連遺伝子において、朝食にタンパク質を多く摂取しているマウスでは活動期の中期にピークを示す日内変動がみられたが、夕食にタンパク質を多く摂取しているマウスでは、そのような変動はみられず、発現量も低い傾向を示した。時計遺伝子の発現パターンには大きな違いは認められなかった。さらに、オートファジーのマーカーの一つであるLC3B-IIのタンパク質レベルについて検討を実施したところ、LC3B-IIレベルは肥大させた筋肉において増加し、夕食に多くのタンパク質を摂取しているマウスでは、朝食に摂取しているマウスに比べてその増加が抑制されており、オートファジーの抑制の可能性がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋分化関連遺伝子の発現パターンやオートファジーマーカーの差異など、1日の中でのタンパク質摂取配分による生理応答の違いについて捉え始めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度では、1日の中でのタンパク質の摂取配分による筋分化やオートファジーへの影響と体内時計(時計遺伝子)との関連を詳細に調べ、摂取パターンによる影響の分子機構を把握することを目標とする。
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Causes of Carryover |
DNAマイクロアレイに関わる一部の試薬を次年度に繰り越したため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(8 results)