2019 Fiscal Year Research-status Report
育児期の親のエンパワメント尺度の開発ーエンパワメントのプロセスに焦点をあててー
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17K18186
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
片岡 優華 創価大学, 看護学部, 助教 (70404928)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 育児期 / 親 / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、0歳~3歳の子を育てる親のエンパワメントの状態を測定する「育児エンパワメント尺度」を 開発し、その信頼性・妥当性を検討することである。本尺度は、育児をしている親のエンパワメントの程度を、個人レベルのエンパワメントと強化する要素である家族・仲間・地域社会とのエンパワメントの相互作用の視点から可視化することができる。
現在までに、育児期の親のエンパワメントについて、文献による概念分析と乳児を育児中の母親、父親に対するインタビュー調査の結果から概念を統合した。その結果、育児期の親のエンパワメントの定義について、「個人においては、育児を経験する中で【内在する力】を基盤とし、知識や価値による【判断する力】や【見通す力】、【自分なりの育児能力】を獲得し【自分らしく生きる力】を発揮することである。さらに、その個人の力は【家族(ファミリー)との相互作用】 、【 仲間(ピア)との相互作用】、【地域社会(コミュニティ)と相互作用】により強化される。」とした。 2019年度は概念分析の結果から、60項目を作成し、予備調査を実施した。配布数528部、回収数は母親95名、父親74名の計169名で、育児エンパワメント尺度に欠損値のない母親88名、父親70名の計158名を分析対象とした。因子分析の結果、個人レベルのエンパワメントと家族・仲間・地域社会との相互作用に関する因子から成る40項目を作成した。2020年度はこの尺度を使用して本調査を実施し、尺度の信頼性、妥当性について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来であれば、2019年度で終了する予定であったが、予備調査後、本調査に向けて施設の確保が難しく、さらに、本調査の施設依頼を行うタイミングで、新型コロナウィルスの影響もあり、当初予定していた健診等での配布依頼が困難となった。そのため、研究方法の修正を行う必要があり、期限内に研究を終了することができなかった。 現在、質問紙の配布方法について、住民基本台帳からの選定・配布(自治体の許可が得られた場合)、もし、難しければインターネット調査に変更し、倫理審査の判定を受けているところである。いずれかの形で調査は実施できる見込みであり、本年度中には、結果をまとめ、論文投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、研究方法の変更に伴い、倫理審査の承認を受け、新型コロナウィルスの影響が少なくなると見込まれる8月以降に調査を実施し、その後分析を行い、尺度の信頼性、妥当性を検証していく。今年度中には研究を終了する見込みである。
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Causes of Carryover |
本調査が実施できていないため、繰越金が生じている。2020年度に本調査を実施する。
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