2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a multi-axis X-ray CT for highly accurate inspection of electronic devices
Project/Area Number |
17K18188
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
加納 徹 東京理科大学, 工学部情報工学科, 助教 (40781620)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / X線CT / メタルアーチファクト / 画像再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子デバイスをX線CTで撮影すると、金属によってX線強度が飽和し、メタルアーチファクトと呼ばれる激しいノイズが発生する。本研究は、電子デバイスの高精度非破壊検査を実現するための、多軸X線CTの開発を目的としたものである。初年度は、主として多軸X線CTのシミュレータを開発し、基盤を模擬した三次元数値ファントムを作成した上で、二軸投影シミュレーションを行った。その結果、精度良く再構成計算を行うためには、各軸を連続的に変化させること必要があることが明らかになった。 初年度から次年度にかけては、金属による飽和を回避するための二軸姿勢制御の最適化アルゴリズムを提案した。二軸回転によりX線強度の飽和領域が少ない投影姿勢を探索し、収集したデータを逆投影することで、メタルアーチファクト発生を抑制するというものである。提案手法の効果をシミュレーション上で確認した結果、姿勢制御の最適化アルゴリズムを適用することで、メタルアーチファクトの発生強度を大きく低減できることが明らかになった。一方で、発生強度は抑えられているものの、二軸回転によってメタルアーチファクトは三次元的に広がることも確認された。 次年度から三年度にかけては、シミュレーション上で三軸回転を実装し、手法の拡張を行った。その結果、二軸から三軸にすることで、金属によるX線強度の飽和をより効率的に避けることが可能となったが、回転角分布の偏りに由来するエイリアシングアーチファクトが増加する傾向が確認された。同時に、回転制御における目的関数を、単純に飽和領域の面積の最小化とするよりも、投影データ全体の透過強度分布の分散を最小化したほうが、良好にメタルアーチファクトを低減できることが明らかになった。今後、回転角分布の偏りによる不均質なラドン空間を修正する再構成アルゴリズムの実装を検討することで、従来よりも精密かつ実用的な検査技術の確立が期待される。
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Research Products
(5 results)