2018 Fiscal Year Research-status Report
実験と数値解析の併用による建築材料の湿気物性値同定法の確立
Project/Area Number |
17K18194
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
隈 裕子 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (10617749)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 湿気 / 数値計算 / 機械学習 / 物性値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,調湿建材が室内の温湿度環境におよぼす影響を定量的に把握することを目的とした一連の研究に必要となる,湿気に関わる材料物性値(水分容量,水分伝導率など)の同定方法の確立,その物性値の整理と情報の発信,実測実験と数値解析の併用による調湿建材の評価(室内温湿度および暖冷房消費エネルギーへの影響)を目的としている。 申請者は,建築材料の湿気物性値の推定方法の提案(科学研究費補助金,研究課題番号:15K21465,平成27~28年度)に取り組んでおり,これを確立させるとともに,社会に発信し広く活用されるよう努める。また,数値計算ソフトの汎用性向上と普及のため,計算アルゴリズムの解析による高効率化とユーザ支援システムの構築(ユーザ支援ツールの開発,普及,サポート)を行っている。これは,より長期的な目標として,建築への調湿建材導入の検討を設計の段階で行えるようにすることを掲げており,そのために,指標作成(調湿建材の性能‐使用量など)や湿害予防・解決方策の整理,検討に用いるツール(数値計算ソフト)の普及が必要になるという考えによる。 今年度は,主にソフトウェアの開発に従事した。これは,AI技術,とくに機械学習のアルゴリズムを転用することで,実測値の学習から評価・予測モデルの作成が可能となってきたためであり,申請時の計画より高性能かつ優れたユーザビリティを有するソフトウェア開発が見込めるためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソフトウェアの開発に関しては,AI技術の発展に沿い,方針の修正を行いながら開発を進めることにした。申請時に計画していた機能・性能をしのぐソフトウェアの開発に繋げる考えである.
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Strategy for Future Research Activity |
物性値同定法の確立については,まだ数回の実験を要する。しかし,ソフトウェアに機械学習のアルゴリズムを組み込むことで同定法の簡易化を図ることも可能となる可能性が出てきた。
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Causes of Carryover |
実験施設を借りる予定であった九州大学の実験施設が,建物移転のため使用できなくなったため,実験に必要となる費用を残した形となった。
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