2018 Fiscal Year Research-status Report
G9aによるosteogenic frontの増殖と分化の制御
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17K18196
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
出野 尚 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40435699)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | G9a / Senescence |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒストンメチル化酵素G9aがOsteogenic frontの骨芽細胞の増殖と分化を制御するとの仮説に基づき、前駆骨芽細胞が分化へ至る過程でG9aが細胞周期 関連遺伝子の発現を統合的に制御する仕組みを明らかにする事を目的としている。平成29年度までに、in vitroで作出したG9a欠損骨芽細胞(KO細胞)の発現が野生型骨芽細胞(コントロール細胞)に対して亢進するSenescence関連遺伝子群の探索をおこない、既知のSenescenceのマーカーを含む16遺伝子を抽出した。平成30年度は、これら候補遺伝子のさらなる絞り込みをNCBI等で集積されつつあるクロマチン免疫沈降法(ChIP)やin situ hybridizationのデータベース等を利用しつつ進めてきた。その過程である候補遺伝子にはクロマチン構造が緩んだユークロマチン状態の形成に関与する機能が明らかになるなど、ヘテロクロマチン形成にも関わるとされるG9aとオーバーラップする機能を持つ分子が複数絞り込まれている。これらの候補分子について、野生型マウスとneural crest特異的G9a欠損マウスでfrontal boneのosteogenic frontにおける発現比較をin situ hybridization、免疫組織化学染色にて進めてきたが、対象組織の小ささと染色条件等で想定以上にパラフィン包埋切片を消費したため、マウス作出が追いつかず全ての候補分子については実施できなかった。また、KO細胞とコントロール細胞を用いてChIPをおこない、候補遺伝子の制御領域へのG9a、H3K9me2、Runx2の集積の解析を試みてきたが、研究室で使用するトリプシンのLot変更によって、ChIP用に作出した初代培養細胞の分化培養後の形質が、従来データと一部違いが生じる事が判明した。こちらについても、作出条件の再トライアルに時間を要した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in situ hybridizationとクロマチン免疫沈降法(ChIP)へ進める候補遺伝子の絞り込みは進められたが、どちらの解析にも用いる遺伝子改変マウスの作出、および初代培養細胞の作出条件の再検討に時間を要したため、僅かに進捗が遅れている。しかし、現時点では本研究を先に進められる目処が立っているため、研究推進の大きな支障とはならないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
絞り込んだ遺伝子について、G9a欠損骨芽細胞とコントロール細胞を用いたChIP解析で絞り込んだ遺伝子の制御領域について調べる。また、当初はSenescencレポーターマウスを用いた解析を予定していたが、やや遅れている状況に鑑みて、マウス個体での解析の前に初代培養骨芽細胞へSenescencレポーターを組み込み、in vitroで実施可能な実験を追加して、効率的な研究推進に努める。
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Causes of Carryover |
細胞作出条件の再トライアルが必要となり、試薬等の使用が想定より少なくなったため次年度使用が生じた。次年度のChIP 、レポーターを用いた解析を必要とする実験で使用する試薬の購入にあてる。
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Research Products
(2 results)