2019 Fiscal Year Research-status Report
G9aによるosteogenic frontの増殖と分化の制御
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17K18196
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
出野 尚 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40435699)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | G9a / Senescence / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒストンメチル化酵素G9aがOsteogenic frontの骨芽細胞の増殖と分化を制御するとの仮説に基づき、前駆骨芽細胞が分化へ至る過程でG9aが細胞周期関連遺伝子の発現を統合的に制御する仕組みを明らかにする事を目的としている。平成30年度までに、in vitroで作出したG9a欠損骨芽細胞の発現が野生型骨芽細胞(コントロール細胞)に対して亢進するSenescence関連遺伝子群の探索をおこない、既知のSenescenceのマーカーを含む16遺伝子を抽出した。さらに、それらの遺伝子群の制御領域のChIP解析に向けた条件検討や、in situ hybridization、免疫組織化学染色のためのサンプリング準備を進めてきた。一方で、Runx2が細胞増殖に関わるFgfrsなどの発現を正に制御すること、Runx2ヘテロ接合体で認められる頭蓋の頭頂骨、前頭骨の縫合部閉鎖不全はFgfrsの発現がRunx2の量に応じて低下するためとの報告がされた(Sci Rep. 2018; Int J Mol Sci. 2019)。この事は、骨芽細胞の分化のみならず増殖にもRunx2が機能的にはたらく事を示唆している。そこで令和元年度は、frontal boneのosteogenic frontを含んだ頭蓋骨由来初代培養細胞用いたChIPによって、平成30年度まで得られた候補遺伝子と、Runx2の制御下にあると報告された細胞増殖関連遺伝子群で、Runx2とG9aが同じ領域に結合するかをしらべ、Fgfr1 、Fgfr2 、Fgfr3を含む複数の遺伝子の制御領域へのG9aとRunx2の結合を明らかにした。さらに、Fgfr1 、Fgfr2 、Fgfr3の発現はG9a欠損骨芽細胞ではコントロール細胞に対して低下している事、抗G9a抗体、抗Runx2 抗体によるco-IPにて内在性のG9aとRunx2が核画分で結合する事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた候補遺伝子以外に、参考論文で報告されたRunx2が制御する増殖関連遺伝子も解析対象に加えたことで、本研究に繋がる多くの結果を得る事ができた。また、得られた結果を論文として纏める段階にも進んでおりおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果を論文として纏める事と、in vivoの組織サンプルを用いたChIP解析をおこないin vitroの細胞を用いて得られた結果をサポートする結果が得られるかの検討、に取り組む。
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Causes of Carryover |
令和元年度内に本研究課題の成果に関する論文のアクセプトを目指していたが、投稿に必要なデータ取得に時間を要した一方で、これまでに購入した試薬等で実施できた実験があったため次年度使用額が生じた。次年度では査読結果によって必要となる追加実験と、さらにはin vivoの組織を用いた解析に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)