2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of rapid detection of bacteria producing extended-spectrum beta-lactamases using Matrix-Assisted Laser Desorption Ionization-Time-of-Flight Mass Spectrometry
| Project/Area Number |
17K18199
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Health Care University |
|---|
Principal Investigator |
松村 有里子 東京医療保健大学, 医療保健学研究科, 准教授 (10439507)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | ESBLs産生菌 / MALDI-TOF MS / 薬剤感受性 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
抗菌薬の選択において、原因菌の感受性の有無が問題であり、検体提出から適切な抗菌薬の選択までには数日を有する。また、薬剤耐性菌の耐性機構が解明されつつあるものの、その全容は明らかではない。本研究では基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBLs)産生菌を対象に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)を用いて、抗菌薬の化学構造変化と微生物由来の特徴的なスペクトルパターンをとらえ、微生物同定と薬剤耐性の有無を迅速に判断することを目的とする。なお、MALDI-TOF MSには、臨床で使用できる微生物同定用質量分析装置として市販されている２機種を用いた。
平成29年度は、MALDI-TOF MSとしてVITEK MS Plusを用いた検討を行った。細菌にはESBLs産生菌と非産生菌のEscherichia coli標準菌株を、抗菌薬にはセフォタキシム（CTX)を用いて実験条件の詳細な検討を行い、評価系の確立をおこなった。
平成30年度は、臨床分離株を用いて、本研究で確立した薬剤感受性評価方法による感受性評価を行うとともに、MALDI-TOF MSとしてMALDI Biotyperを用いた検討を行い、セフォタキシム以外のβラクタム系抗菌薬を用いた検討を行った。
最終年度である2019年度は、臨床上重要なKlebsiella pneumoniae、Proteus mirabilisにも菌種を拡大して検討を行い、測定機種に依存せず、複数のβラクタム系抗菌薬に対応したESBLs 産生性の有無の判別及び薬剤耐性菌の迅速検出法の構築をおこなった。
|
