2017 Fiscal Year Research-status Report
ジュニア期のスポーツ活動中に生じる膝前十字靱帯損傷の危険動作の縦断的検討
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17K18200
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
笹木 正悟 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (30563473)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バドミントン / 片脚着地 / 体幹加速度 / ジュニア選手 / 発育段階 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ジュニア期のバドミントン選手に生じる膝前十字靭帯(ACL)損傷の危険場面をスポーツ現場の中から同定し、それらの発生頻度と成長に伴う変化を明らかにすることを目的としている。 平成29年度は、中高生バドミントン選手50名(中学生男子:12名、中学生女子17名、高校生女子21名)の横断的分析を行った。対象者の上位胸椎に小型加速度センサを装着して試合を行い、体幹加速度が4G 以上となるプレーを高加速度な場面として抽出した。その結果、「オーバーヘッドストローク後の片脚着地」と「アンダー/サイドストローク後の踏み込み」で高加速度の発生頻度は高く、先行研究で述べられているACL受傷メカニズムと一致することが確認できた。 高加速度場面の中でも「オーバーヘッドストローク後の片脚着地」に着目し、加速度の大きさと着地姿勢について分析を行った。その結果、バックハンドサイドコートにおける片脚着地時の体幹加速度の大きさは、体幹部および股関節角度と相関関係を示した。特に、バックハンドサイドコートでは支持側への体幹傾斜に加えて股関節外転位で着地しており、ACL受傷肢位と類似した姿勢であった。このことから、高加速度を発生させる要因として、プレー動作中の姿勢制御が関係している可能性が考えられた。 さらに、女子中高生を思春期の「中期以前」と「後期以降」に分類して高加速度の発生頻度の分析を行った。中学生は「中期以前」と「後期以降」に分類され、高校生は全て「後期以降」に該当した。オーバーヘッドストローク後の片脚着地で合成加速度が4G以上となる発生頻度は、中学生において思春期中期から後期にかけて一旦減少し、高校生になると再び上昇する傾向を示した。このことから、発育段階と学校区分において、同じプレーをしていても身体が受ける衝撃の頻度や方向は異なる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階よりも分析を実施できた対象者数が少なく、思春期ステージを分類した際に若干の偏りが生じている。研究協力者の支援を受け、思春期中期以前の選手を複数のチームからリクルートしていくことを検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目は横断的分析を行ってきたので、2年目以降は同一被験者に対して再テストを実施し、縦断的分析を行っていく。思春期ステージ(中期以前・後期以降)や体格(身長・体重・体格指数)の変化によって、高加速度のプレー場面や発生頻度、着地姿勢がどのように変わっていくのかを検討していく。
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Causes of Carryover |
予算執行率は99.8%と概ね順調であるが、次年度使用額についてはデータ収集のための人件費として充てる計画である。
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Research Products
(4 results)