2017 Fiscal Year Research-status Report
生殖期から非生殖期への移行における女性の心理過程と適応に関する研究
Project/Area Number |
17K18210
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
田仲 由佳 清泉女学院大学, 人間学部, 講師 (30621122)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | generativity / 更年期 / 閉経周辺期 / 女性 / 身体性 / 生殖性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生殖期から非生殖期への移行期における女性の心理的発達とこの時期の心理的安定を支える心理的資源および生物学的生殖性の受容過程について、ライフコースや個人要因を考慮して量的・質的にとらえることを目的としている。 平成29年度は、中年期女性を対象としたweb調査に実施に向けて、閉経周辺期女性の心理的発達およびこの時期の心理的安定を支える心理的資源に関して文献研究および研究協力者との討議を重ね、閉経という象徴的体験が時間感覚に及ぼす影響や被援助志向性と役割満足感のバランスという新たな視点を取り入れる意義を確認した。加えて、予備的検討として中年期の心理的発達の鍵概念となるgenerativityに関して中高齢者を対象とした質問紙調査を実施し、generativityの明部と暗部の様相を探索的にとらえた。得られた知見は、日本発達心理学会第29回大会でポスター発表を行うとともに、清泉女学院大学人間学部研究紀要第15号において「中高齢者の次世代に対する意識についての探索的検討」として研究論文にまとめ、公表することができた。 さらに、本研究のもう一つの目的である生物学的生殖性の受容へと至るまでのプロセスを提示するため、性成熟期の各段階における女性としての身体的特質が持つ意味を予備面接でとらえ、それらをもとに本調査で用いる質問項目の精査を行っている。平行して、調査協力者のリクルートを行い、それぞれの方に調査概要の説明を行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
閉経周辺期女性の心理的発達およびこの時期の心理的安定を支える心理的資源をとらえるためのweb調査の実施にあたり、使用変数にさらなる検討の余地があると判断し、追加の文献研究および研究協力者との討議を重ねるとともに、予備的検討のための質問紙調査を実施したため、本調査であるweb調査の開始時期にやや遅れが生じている。 一方、生物学的生殖性の受容へと至る心理的プロセスを明らかにするためのインタビュー調査に関しては、現時点までに数人の対象者に依頼を行っている。調査で扱う内容の性質上、リクルート段階において十分な説明と同意が必要であることから、現時点までの進捗状況は想定の範囲内である。
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Strategy for Future Research Activity |
閉経周辺期女性の心理的発達およびこの時期の心理的安定を支える心理的資源をとらえるため、中年期女性を対象としたweb調査を実施する。 生物学的生殖性の受容へと至る心理的プロセスについて、自分の子どもを持たずに性成熟期を終えた女性を対象とするインタビュー調査を実施し、TEMを中心とする質的分析を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度に実施する予定であったweb調査の開始時期が遅れているため。 当該調査は平成30年度に実施する。
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