2021 Fiscal Year Annual Research Report
Reseach on psychological process and adjustment of menopausal women.
Project/Area Number |
17K18210
|
Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
田仲 由佳 清泉女学院大学, 人間学部, 准教授 (30621122)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 中年期 / 女性 / generativity / 生物学的生殖性 / 子どもをもたない |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である今年度は,生殖期から非生殖期へと向かう中での感情体験について,中高年期女性を対象とした面接調査で得られた質的データを分析,論文化した。平均的に閉経を迎える50歳前後の時点で実子をもたない女性の語りから,生物学的生殖性の終わりを意識したきっかけやその時の感情,子どもをもたない人生を意識したことによる変化について明らかにした。その結果,性成熟期の終わりに子どもをもたない人生を意識することは,世代のつながりという点においてgenerativityの危機を生じさせ,自己の存在に対する問いにもつながりうること,その一方で,子どもをもたない人生であることを意識することによって今後の人生に対する具体的な計画や見通しにもつながることが示唆された。拡大家族の割合が減少し,単独世帯や核家族が多くを占める現代において,世帯内の人間関係の中だけで十分な養育やケアを行うことが難しい時代を迎えている。本研究で示されたような子どもをもたない女性のgenerativityの意識が社会の中でどのように発揮されていくのかについて,今後検討を進めていく必要性が示された。
|