2017 Fiscal Year Research-status Report
血清miRNAsによるバセドウ病の予後予測法の確立
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17K18220
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
平塚 いづみ 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (30778428)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 甲状腺 / バセドウ病 / microRNA / エクソソーム / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
バセドウ病の罹患割合は200-1000人に1人程度と頻度の高い自己免疫疾患の一つである。治療法には簡便な薬物治療が主流となっている。しかし、薬物治療で長期寛解が得られる症例(寛解群)は半分以下にとどまり、残りは寛解に至らず、再燃を繰り返す(難治性群)ため臨床上の問題となっている。現在までにバセドウ病の再燃を予測できる確かな方法はなく、難治性や寛解などの病勢を予測する新規バイオマーカーの同定が望まれている。 miRNAはエクソソームに内包されて血液中に安定に存在することが知られている。近年このエクソソームは様々な生命現象に関与することが知られてきた。2013年よりこのエクソソーム中のmiRNAsに着目し、バセドウ病の予後予測マーカーの同定を目指して研究をスタートさせた。これまでに、オミックス的な手法によりバセドウ病における血清miRNAsのプロフィールが健常人と異なることを明らかにした (Clinical Endocrinology 2014;81:276-81)。本研究では、バセドウ病の発症時点から血中miRNAsを継時的に測定し、バセドウ病の病勢との関連を明らかにすることで、これまで困難であったバセドウ病の予後予測する法の確立を目指す。さらにこれら変動した血中miRNAsがどのように末梢血リンパ球の免疫応答、特に炎症反応に及ぼす影響も検証する。現在、バセドウ病由来のエクソソームが末梢血リンパ球に取り込まれること、さらに炎症反応を促進することが示唆されるデータが得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおりに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も継続してバセドウ病の血清サンプルの採取し、解析に必要十分な症例数を確保することを目指す。また、バセドウ病の血清を用いて、免疫機能に与える影響をin vitroで解析する。バセドウ病のエクソソームが自己免疫反応の誘導や、免疫寛容にどう関与するかを明らかにすることで、難治性バセドウ病の病因・病態を解明する。
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Causes of Carryover |
実験の都合上、試薬を随時購入しているため次年度使用額が生じました。
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Research Products
(1 results)