2017 Fiscal Year Research-status Report
自動車燃費規制における政策波及と収斂過程の動態とその影響に関する研究
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17K18228
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
井口 正彦 京都産業大学, 外国語学部, 助教 (10643231)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自動車燃費規制 / グローバル・ガバナンス / インド / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、インド及び中国における自動車燃費規制の変遷について、既存研究調査を中心に実施し、この成果を『環境規制の収斂をめぐるグローバル・ガバナンス:インドと中国の自動車燃費規制の事例から』(世界問題研究所紀要第33号)にまとめた。これにより、両国における自動車燃費規制の歴史的背景と主要アクターについて把握することが可能となった。このことは、今後、どのような政策波及と収斂過程のメカニズムによって、主要自動車生産国間で燃費規制値の収斂が起きたのかについて明らかするための大きな一歩となった。 また、本研究課題で得られる予定の知見が多く盛り込まれる予定である編著『Sustainability and the Automobile Industry in Asia: Policy and Governance』(Routledge社と契約済み)の出版が決定したことは大きな成果である。本著は、どのようなガバナンスないしは政策が、より持続可能な社会の実現性を高めることが出来るのかについて、アジアにおける自動車産業を事例に検討をするものである。本著の出版が決定したことは、本研究の研究成果を国際的に発信していく事に大きく寄与するものである。 最後に、今後においては、自動車燃費規制の政策過程におけるインドと中国の国内政策ネットワークをさらに緻密に明らかにする必要がある。その上で、インドと中国の自動車燃費規制における政策ネットワークを把握し、それぞれの相違点及び類似点を考察する事が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、計画していた現地調査が行えなかったためである。しかし、今年度実施した既存研究調査により、より効果的に研究インタビュー調査先を絞り込めたことは大きな意義があった。
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Strategy for Future Research Activity |
現地調査を進め、自動車燃費規制の政策過程における詳しい国内政策ネットワークの把握を行う。
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Causes of Carryover |
今年度に計画していたインドの事例研究調査(現地調査)を行えなかったため、旅費を次年度に繰り越すためである。また、購入予定であった書籍の出版日が来年度となったために、物品費を来年度に繰り越すためである。
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