2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis for the functional roles of ezrin in the membrane trafficking
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17K18240
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
波多野 亮 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60521713)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 足場タンパク質 / トランスポーター / 尿細管再吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は当初の研究計画の予定に従い、マウスの腎皮質より調製した腎刷子縁膜(BBMV: Brush border membrane vesicle)画分を用いて質量分析法による網羅的解析を進めてきた。質量分析法による解析の結果、BBMVの中に約1400種類のタンパク質を同定した。膜タンパク質はそのうちおよそ20%を占め、その他には細胞骨格や細胞内小胞輸送に関わる様々なタンパク質が含まれていた。エズリンノックダウンマウスでは野生型と比較して、トランスポーターを含む様々な膜タンパク質の局在が変動していることを確認している。また、当初の想定していた膜タンパク質に限らず、細胞の形態や細胞内小胞輸送に関わる様々な分子の挙動が変動している可能性を示唆する結果を得ている。トランスポーターに関しては腎臓の近位尿細管で豊富に発現しているSLC(solute carrier)ファミリーに属するもの、ABC(ATP-binding cassette)トランスポーターファミリーに属するものの中で、管腔膜側に局在するものに関して変動が見られている。一部、遠位尿細管に局在するものについても含まれているが類似した手法で解析を行っている既報論文でも同様の報告があり、BBMV精製の過程で遠位尿細管由来のものについても抽出されるものと考えられる。変動が見られるものについては、in vivoでの動物実験で見られる尿細管再吸収機能異常とも関連性が見られており、2019年度はこれらの結果をもとに培養細胞等を使用し、詳細な分子機構の解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画については当初の計画に従い研究を進めているが、2018年度より所属機関の異動に伴う研究環境の変化が生じており、遺伝子組換え動物の移動に時間を要しているため、培養細胞等を含む実験系を優先して進めている。当初予定していた実験は遺伝子組換え動物の導入後、実施する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
異動先への遺伝子組換え動物の導入に時間を要しているため、培養細胞を含む実験系を優先して進める他、野生型マウスを用いた解析などを並行して行い、遺伝子組み換え動物の導入後にスムーズに実験を開始できるように予備的な条件検討等を進める。
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Causes of Carryover |
実験動物の移動が当初の予定よりも遅れており、関連経費を次年度に割り当てたために次年度使用額が生じている。 繰越した経費は2019年度の実験動物の移動経費に充て、他の経費については当初の予定通り使用する。
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