2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K18257
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安澤 俊紀 近畿大学, 農学部, 契約助手 (80734425)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / 血管内皮細胞 / 脂肪細胞 / 肥満 / エイコサペンタエン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、脂肪細胞と血管内皮細胞を用いてEndothelial Mesenchymal Transition (EndMT)について検討した。マウス由来3T3-L1細胞を脂肪細胞へ分化誘導し、分化4日目および8日目の培養液を用いて血管内皮細胞の遊走能を測定した。コントロールと比較して脂肪細胞の分化日数が進むにつれて血管内皮細胞の遊走能は上昇し、分化8日目の培養液で有意に上昇した。昨年度の研究によりCD31発現量の減少とSM22αの増加が確認されたことから、脂肪細胞の肥大化に伴い培養液中に分泌される物質が血管内皮細胞のEndMTを引き起こすと考えられた。さらに、脂肪細胞の培養液により引き起こされたEndMTに対するEPAの効果を検討したところ、コントロールと比較して分化日数が進むにつれCD31発現量は有意に減少したが、分化8日目の培養液で減少したCD31発現量はEPAの添加により有意に上昇した。このことからEPAがEndMTを抑制する可能性が考えられた。また、高グルコースやパルミチン酸が、血管内皮細胞のEndMTに及ぼす影響を検討したところ、高グルコース(25 mM)およびパルミチン酸刺激による細胞遊走能の上昇、CD31発現量の減少、SM22α発現量の増加が確認された。動物実験による検討では、STZ投与により増加したラット腎糸球体面積がEPA投与により改善することが確認されEPAの腎保護作用が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪細胞の培養液による刺激でEndMTが引き起こされることを明らかにし、EPAによるEndMTの進展抑制作用を確認した。また、高グルコースやパルミチン酸を用いた実験においてもEPAによるEndMT抑制作用が確認された。さらに動物実験においてもEPAによる腎糸球体保護作用が示唆されたことから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験によりEPAの糖尿病性腎症進展抑制作用の検討を引き続き実施するとともに培養血管内皮細胞を用いたEndMTに対するEPAの作用機序を検討する予定である。また、当初の予定通りEPAとDPP4阻害薬の組み合わせによるEndMT制御に関する検討を行う予定である。
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