2023 Fiscal Year Annual Research Report
America's Cold War Cultural Policy and US Military Bases in Japan
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17K18258
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
幸田 直子 近畿大学, 国際学部, 准教授 (30781091)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在日米軍基地 / アメリカ外交 / 冷戦文化政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2024年3月に組織化された基地労働者の実態についての一次資料を得るため、沖縄公文書館、琉球大学附属図書館、沖縄県立図書館での追加調査を実施した。特に、全軍労についての先行研究があまり存在していないため、一次資料の収集と分析に専念した。現時点では沖縄での資料調査による成果発表までは至っていないが、現時点では入手した資料及び先行研究を踏まえて、今後の研究課題がより明確になった。1つ目に、基地労働者をアメリカ外交史及び労働史の枠組みで研究を進めることの重要性が明らかとなった。2つ目に、沖縄で入手した資料及び在日米軍基地に関するこれまでの研究成果から、アメリカの日本、とくに沖縄における在日米軍基地建設と運営は、それまでにアメリカがラテンアメリカにおける基地建設で得た経験が活かされていたのではないかという考えに至った。 そのため、今回の研究成果を踏まえで、今後はアメリカのラテンアメリカでの基地建設についての先行研究(例えば、Rebecca Herman『Cooperating with the Colossus』)をしっかりと分析し、日米関係の枠組みではなくアメリカの外交史という枠組みで在日米軍基地を分析する必要性が示された。また、Hermanなどの近年の米軍基地の歴史についての先行研究では外交史の枠組みで労働問題や労働者組織の歴史を考察することは、アメリカのグローバル冷戦政策を理解する上で重要であることが示された。これらの点が明らかになったことは、本研究の成果であると考える。
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