2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K18264
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
松尾 貴央 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 助教 (90759622)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波検査 / 嚥下運動評価 / 舌骨 / 喉頭 / 舌骨喉頭運動比 |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下機能評価は嚥下造影検査がゴールドスタンダードとされているが、X線被曝や造影剤誤嚥の危険性がある。そこで、非侵襲性と簡便性に優れる超音波検査による嚥下時の舌骨と喉頭の協調運動の解析を嚥下機能評価へ応用することを最終目標とした。平成29年度は若年健常者42名、高齢健常者37名から、水5cc嚥下時の舌骨と喉頭の最大挙上距離と時間,最大挙上位での停止時間,下降距離と時間について2次元データ解析ソフトを用いて計測することができた。さらに舌骨と喉頭の運動開始点から最大挙上位までの2次元移動距離を変位量とし、喉頭変位量を舌骨変位量で除した値を舌骨喉頭運動比と定義し、その値を算出した。嚥下関連筋が発揮できる強さを評価することは重要であると考える。本研究では強さの評価に舌骨と喉頭の移動量に注目したが、正常嚥下に必要な移動量は年齢間、個人間によって異なった。本研究指標の舌骨喉頭運動比は、嚥下時の舌骨と喉頭運動の筋活動最大時点における相対的移動量として、年齢、身長、体重による影響に左右されず算出可能であり、正常嚥下において一定の値を示した。舌骨喉頭運動比は嚥下時の舌骨と喉頭の協調運動を反映する指標の一つとして嚥下機能評価へ応用できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたデータ数を超え、研究考察はまとまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に取得したデータと考察について、H30年度日本摂食嚥下リハ学会への発表、国際誌への投稿に向けて準備を行っている。
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Causes of Carryover |
国際学会での発表を予定していたが、現地トラブルにつき急遽テレカンファレンス形式をとり、国内で発表内容をビデオ撮影して対応したため旅費が予定額よりも大幅に減額することができた。 今後の使用計画について、平成30年度は設備備品の購入予定はない。しかし、消耗品は毎年度、被験者計測のためのジェルパッドやデータの記録保管のための記録用ディスク、加えて臨床検査用品が必要であり、購入しなければならない。さらに、研究調査(情報収集)や成果発表のための国内外への旅費も、研究代表者一人分年間 1 回~3 回で計上している。 また、国際論文に投稿の際には論文校正を受ける費用および投稿に係る費用が必要となる。
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Research Products
(2 results)