2022 Fiscal Year Annual Research Report
An examination of the relationship between structural relations of child aggression and empathy, focusing on the phenomenon of happy victimization.
Project/Area Number |
17K18265
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝間 理沙 京都大学, 教育学研究科, 特定助教 (50572385)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 攻撃性 / 共感 / Happy Victimization / 児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,攻撃性の高い個人がなぜ共感の機能低下を引き起こすのかということについて,“happy victimization(幸福な加害)”に着目して,攻撃性を構造的に細分化できる測定法を用いて,共感への影響にどのような効果を持つかを明らかにしていくことを目的としていた。 最終年度では,前年度行った感情の新たな測定法の検討を踏まえ,“happy victimization(幸福な加害)”帰属の測定法について再検討し,2つの調査を行った。1つ目は,攻撃性の構造関係を測定できる尺度の妥当性検討の一部として,親への調査を行った。その結果,児童自体の攻撃性尺度との相関を一部確認した。また2つ目としては,攻撃性と共感との関係における“happy victimization(幸福な加害)”帰属の効果を検討するための小学4~6年生を対象とした調査を行った。その結果,まず攻撃性と共感との関係において過去の知見を再現した。また,それらの関係に対する“happy victimization(幸福な加害)”感情帰属の影響が一部示唆された。ただし,児童の調査については,サンプル数を十分に確保することができなかったため,解釈は限定的ではある。 研究期間全体を通じて,攻撃性の構造関係を測定する尺度を標準化し,攻撃性の高さと共感の関係を再確認することができ,さらにその関係における“happy victimization(幸福な加害)”感情帰属の影響を明らかにすることができた。今後のサンプル数を増やした上で,攻撃性と共感の因果関係や,“happy victimization(幸福な加害)”感情帰属との3者関係をより詳細に検討することが必要である。
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Research Products
(2 results)