2018 Fiscal Year Research-status Report
ACTに基づく糖尿病セルフケア行動の機能分類と介入プログラムの効果
Project/Area Number |
17K18271
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
大屋 藍子 同志社大学, 心理学部, 助教 (60781573)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 2型糖尿病 / 回避 / セルフケア行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2型糖尿病患者のセルフケア行動を促進するための心理・社会的介入プログラムの開発とその効果の検討を目的としている。2型糖尿病の治療において、セルフケア行動の形成と維持はその鍵を握ると言える。そのための効果的な心理・社会的介入プログラムの確立が求められている。近年、Gregg et al.(2007)によるAcceptance and Commitment Therapy(ACT)の1日ワークショップが、介入後3か月のフォローアップにおいても参加者のセルフケア行動と血糖状態の改善を維持したことが注目された。しかし、このACTプログラムのエビデンスは依然として少ない。本研究は、ACTをベースとした効果的な介入プログラム の開発を目指した。 介入は、2型糖尿病患者が実際に抱える心理・行動的問題に沿ったものである必要がある。したがって、本研究は、まず2型糖尿病患者のセルフケア行動を心理的柔軟性のタイプ別に分析し、患者のセルフケア行動の特徴と心理的要因との関連を明らかにすることを一つ目の研究とした。また、得られたセルフケア行動の特徴や心理的要因に基づいて、介入プログラムを構成し、2型糖尿病患者に対してその効果を検討することを二つ目の研究としている。 これまでの研究として、病院に通院する2型糖尿病患者に質問紙調査を実施した。調査では、血糖値などの生理指標、セルフケア行動の程度に関する指標、摂食行動の特徴に関する指標、そして治療負担や治療への回避傾向に関する指標を用いた。得られたデータについて分析を行った結果、治療負担や治療への回避傾向によって,摂食行動やセルフケア行動の程度に違いがみられた。以上の研究成果について現在論文の査読修正中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,次に2型糖尿病患者へのACT介入を実施予定である。現在,介入プログラムを作成し,今年度中に介入実施を予定している。倫理審査に時間を要していること,また研究実施予定の建物の都合により参加者募集を延期すること,といった理由から研究過程にやや遅れが生じているものの,おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は,論文投稿に加え,2型糖尿病患者に対して一事例的にACT介入プログラムを実施し,その効果を検討する。指標としては、2型糖尿病患者の生理指標やセルフケア行動だけでなくQuality of Life(QOL)、治療負担なども測定し、2型糖尿病患者の生活全般に与える影響を検討する。
|
Causes of Carryover |
研究計画の倫理審査の結果、個人情報の保護の観点からデータ収集や整理に関わる研究協力者を設けずに研究を行うことになった。したがって、計画していた人件費が発生せず、次年度使用額が生じた。 次年度使用額を利用して、ウェアラブルデバイスやウェブアンケート等、介入プログラムの効果を測定する指標の充実を行う。
|
Research Products
(2 results)