2017 Fiscal Year Research-status Report
看護業務における段取りの構造化と自己評価ツールの開発
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17K18277
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
清水 佐知子 武庫川女子大学, 看護学部, 准教授 (50432498)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護師 / 業務段取り / 構造化 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師は複数の患者から発生する看護サービス需要に対し,柔軟に「段取りをしながら」看護サービスを提供している.これまで看護業務における「段取り」の概念や構造,「段取り」能力の評価方法は明らかになっておらず,「段取り」の習得は個人の経験的学習に任されてきた.しかしながら,看護の質と効率性を高めるためには,看護業務における「段取り」を解明し,効果的学習方法を提案することが極めて重要である.そこで本研究では,まず看護業務の「段取り」の概念を明確にする.概念分析にあたっては文献検討と実証的手法を併用し,「どのような判断・思考・行動をし看護業務における段取りを導いているのか」を分析テーマとして構成概念を明確にし,概念間の関係や時間的経過における位置づけをも明確にする.第二に他計式タイムスタディによる業務観測を行い,臨床現場で行われている「段取り」の実際を観測するとともに,「段取り」プロセスの抽出・定義を行う.さらにオブジェクト指向による業務モデリング手法にて看護業務における「段取り」の静的・動的・機能的構造を明らかにする.最後に概念分析及び構造化結果を踏まえて,看護業務における「段取り」能力を看護師自らが自己評価し,「段取り」の効果的学習に活用できるよう評価尺度の開発を行う. 平成29年度は文献検討による看護師の「段取り」の定義を行い、また「段取り」を構成する概念を整理した。さらに、看護師の業務「段取り」概念の実証的検討に向けた面接調査計画の精査と調査に向けた手続きを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画どおり,辞典・事典総合目録」に示された関連する国語辞典から「段取り」の記述を抽出し,「段取り」の説明に繰り返し使用される語彙の頻度を算出し,「段取り」を定義した.また多読されている「段取り」のビジネス書籍を選定し,「段取り」の構成要素を整理した.また研究者の所属する施設の研究倫理審査委員会の承認を得て,面接調査及び質問紙調査の対象施設との調整を開始している.研究倫理審査委員会の承認が2月となったため、対象施設の年度末・年度当初の繁忙期を避けて面接調査を行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は面接調査を行い, 「段取り」鍵概念と判断・思考・行動を抽出し、類型化する予定である.また、Rodgersの概念分析の手法を用いて、看護師の業務段取りの概念分析を行い、「段取り」の先行要件、属性、帰結を明らかにする。その後看護師の段取り行為の観測と構造化に向けた調査を進めていく.
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Causes of Carryover |
研究倫理審査の承認が遅れたため,調査の実施が平成30年度前半となったため,平成30年度使用額が生じた.平成30年度は上半期に調査を行い,データ入力を行う.
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