2019 Fiscal Year Research-status Report
高速回転式LED送信機を用いたカメラ型可視光通信の高速化及び全方位受信の実現
Project/Area Number |
17K18282
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
荒井 伸太郎 岡山理科大学, 工学部, 講師 (10599195)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 可視光通信 / LED / イメージセンサ / 回転 |
Outline of Annual Research Achievements |
カメラを受信機に用いた可視光通信では,通信速度がカメラの撮影速度に依存して決まるため,一般的な市販のカメラを用いた場合,通信速度は非常に低速になってしまう問題がある.本研究課題では、送信機自体が高速回転する「高速回転式LED送信機」を提案し,この問題点の解決に努めている. 令和元年度は,前年度までに開発した「高速回転式LED送信機」と,その送信機からのデータを受信するための受信アルゴリズムを用いた通信実験を,装置とアルゴリズムの改良をしながら行った.平成30年度に行った通信実験では,受信画像からLEDの座標取得にした場合に,データ復調精度が大幅に劣化していた.令和元年度では,この座標取得アルゴリズムを改良し,従来手法よりも高い通信速度をを維持しながら,データ復調性能の向上に成功した.また、カメラの位置を変えて実験した結果,それぞれの位置からデータ受信できたことを確認した.これにより,本研究課題の目標の1つだった,可視光通信の全方位(360°)受信が達成できたと言える. これらの結果をまとめ,本研究課題で開発した送信機を2019年4月に特許出願した.特許出願に合わせて,本技術を2019年8月29日、30日に東京ビッグサイト青梅展示棟で開催された大学見本市「イノベーション・ジャパン2019」で展示した.加えて,本研究成果の一部を学術論文(Optics Express)として1編,国際会議(ISCAS'19, TJCAS2019, ICMaSS2019, NCSP'20)で4件,国内研究会(電子情報通信学会ワイドバンドシステム研究会,1st OWC2)で2件発表した。また,現在も本研究に関連した論文を執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の「研究実績の概要」で説明した通り,高速回転式LED送信機の改良,及び,受信アルゴリズムの改良によって,本送信機を用いた可視光通信でのデータ復調精度が向上した.さらに,上述の通り,目標の1つであった可視光通信の全方位(360°)受信が達成できた.本研究課題に関連した研究業績も発表出来ていることから,現在のところ,本研究課題の進捗はおおむね順調であると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,本研究課題に関連した論文を執筆中であり,追加実験を行いながら,今年度中に投稿する.また,本来なら令和元年度中に、国際会議にて,本研究成果の一部を発表予定であったが、新型コロナウイルスの影響で、会議の開催がキャンセルとなってしまった.同会議は新型コロナウイルスの影響が収まれば,新たに開催されると思われるため,今年度中に,その国際会議にて成果を発表したいと考えている.
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Causes of Carryover |
2020年2月末から3月頭にかけて開催予定だった国際会議(NCSP'20)にて,本研究課題の成果の一部を発表予定だったが,新型コロナウイルスの影響で,会議の開催がキャンセルとなってしまった.年度末開催の国際会議であったため、他への使用ができなかったことで、差額が生じてしまった.令和2年度に新型コロナウイルスの影響が収まれば,同会議は開催され鵜可能性は高く,開催された場合,その会議にて,本研究成果の一部を発表したいと考えている.
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Remarks |
「Communication System Laboratory」は研究代表者である荒井のWebページです.
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Research Products
(10 results)