2021 Fiscal Year Annual Research Report
A study of emotion regulation strategies in preschool children
Project/Area Number |
17K18286
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
鈴木 亜由美 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (40435045)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 情動調整方略 / 就学前児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,就学前児のネガティブ情動に対する調整方略がどのような特徴をもち,どのような発達的基盤に支えられているのかを明らかにすることを目的とした。当初計画においては,研究1. 就学前児の情動調整方略への認識を検討する指標の作成と,それに関わる個人内要因(言語課題,誤信念課題)の検討,研究2. 就学前児の情動調整方略への認識と日常場面での社会的行動との関連の検討,研究3. 保育場面に見られる就学前児の情動調整方略とそれを促す保育者の関わりの検討,の3つの研究を計画していた。 このうち研究3については,2020年以降の新型コロナウィルス感染拡大の影響により,研究協力先での受け入れが困難となり実施できなかったが,研究1-1,1-2, 研究2の3つの研究を実施した。得られた結果より,(1)就学前期において,情動調整方略のうち行動方略に対しては一定の認識がされているものの,認知方略への認識は発達途上であること,(2) 行動方略と認知方略に対する認識は,どちらも言語能力,誤信念理解との関連が見られること,(3)個別調査で見られる就学前児の情動調整方略への認識と,養育者が評定する社会的行動には部分的な関連が見られることが明らかになった。 本研究は,就学前児の情動調整方略において,従来から研究されてきた行動方略への認識に加えて,発達しつつある認知方略への認識の特徴を明らかにするものであり,就学に向けて必要となる社会的発達についての示唆を与えるものとなった。
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