2017 Fiscal Year Research-status Report
事故予防を目的とした登山食の提案と有用性に関する検討
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17K18290
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 登山食のレシピ開発 / 事故予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
登山中のエネルギーや栄養素の不足は滑落事故など重大な事故につながる。本研究の目的は,栄養価を考慮し,軽量で保存性が高い食材を使用した登山食レシピを提案することである。 2017年度は,登山用の調理器具を用いて試作し,レシピ7品(2日分)を開発した。18歳~29歳女性が登山活動7時間を行った際の推定エネルギー必要量を算出し,朝食,行動食(1~3食),夕食の合計で1日分の栄養価が±10%になるようにレシピを開発した。 レシピ開発後に,37名を対象に登山活動及び登山食に関するアンケート調査,レシピ7品に関する評価アンケートを実施した。レシピ評価は,味,重さ,価格,調理手間を4段階で行い,4項目の合計点を総合評価とした。 本研究において,ミルクパスタ,小魚のカレーピラフ,ミネストローネ風パスタ,さんまの味噌煮スープパスタ,焼きラーメン,コーン豆乳リゾット,高野豆腐の蒸しパンのレシピを開発・提案した。総合評価にレシピ間の有意な差はみられなかった。 登山食に関するアンケート調査の結果から,1食分に充てる許容価格は,300~400円が最も多かった。本研究で開発したレシピは,7品とも400円以内であった。疲労感等による食欲低下を考え,のど越しをよくするため,水気の多いレシピを提案したが,重さに関する評価は,水を多く含むレシピが低い傾向にあり,特に500gを超えると低下した。香辛料等の工夫により,水気を押さえた食欲増進を図るレシピ開発を行うことで,より満足度の高い登山食を提案できると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
登山食に関するアンケート調査および開発した登山食レシピの嗜好調査の結果から,登山食に求められる条件および改善点を明らかにすることができた。2018年度は,開発したレシピが登山活動時に適切であるかのフィールド調査を行い評価する。2017年度は,プレ実験を行い,フィールド調査の研究計画の立案も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は,以下の研究課題を行う。 研究課題①登山時の身体活動量と登山食の実態調査 日帰り登山および宿泊登山を行う成人男女を対象に,登山活動時の推定エネルギー必要量(活動量計による計測)と登山食の内容について調査を行う。 研究課題②登山食のレシピ提案 2017年度に開発したレシピを登山活動時に持参し,重量や嵩に関する負担度,調理手間や嗜好性の適切性について評価を行う。
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Causes of Carryover |
2017年度に行う予定であった「登山時の身体活動量と登山食の実態調査」と2018年度に行う予定であった「登山食に関するアンケート調査とレシピ開発」を入れ替えて行ったため,旅費が2018年度以降の支出となったため。
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[Journal Article] Changes of the physiological stress indicator during snow cave staying without aluminum seat2017
Author(s)
Sho Onodera, Takuma Wada, Noboru Yoshida, Yutaro Tamari, Hiroki Hamada, Yurie Aratani, Tatsuya Saito, Megumi Murata, Yuka Nose, Akira Yoshioka, Kazuki Nishimura, Aotaro Hayashi, Kayo Furumoto, Hidetaka Yamaguchi, Naoko Yui
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Journal Title
Japanese Journal of Mountain Medicine
Volume: 37
Pages: 98-102
Peer Reviewed
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