2022 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of a meal for mountaineers to prevent accidents and a study of its usefulness
Project/Area Number |
17K18290
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
野瀬 由佳 安田女子大学, 家政学部, 講師 (60634194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 登山食 / 菓子パン / 階段歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究課題1】階段歩行前の食事内容が生理応答に及ぼす影響-菓子パンとバランス食の比較- 登山食の実態調査において,菓子パンを持参する登山者が多いことが明らかになった。そこで,階段歩行前に菓子パンのみを摂取する「菓子パン条件」と,主食,主菜,副菜,乳製品の揃った食事を摂取する「バランス食条件」の2条件で,生理応答を比較した。対象者は,健康な成人女性8名とした。 運動中及び運動後の脈拍数は,菓子パン条件がバランス条件と比較し,有意に高い値で推移した(p < 0.05)。間質液中グルコース濃度は,運動中において菓子パン条件がバランス条件より有意に高かったが,運動後に菓子パン条件が顕著に低下した。菓子パン条件では,高脂肪食であることから,運動中の糖質のエネルギー利用が抑制された可能性が考えられた。しかしながら,菓子パン条件では,脈拍数の増加もみられ,循環器系への負荷増大の可能性も考えられることから,今後は,菓子パンの種類や介入タイミングについても検討が必要である。 【研究課題2】提案した登山食が階段歩行時の生理応答に及ぼす影響 栄養価や嗜好性を考慮し提案した登山食の有用性を検討するため,階段歩行前に登山食を摂取しない「なし条件」と提案したレシピを摂取する「あり条件」の2条件の測定を行った。対象者は,健康な成人女性8名とした。あり条件の間質液中グルコース濃度は,なし条件と比較して有意に高い値で推移した(p < 0.05)。あり条件は,なし条件に比較して,集中力(Visual Analogue Scale:VAS)が有意に高く(p < 0.05),疲労感(VAS)が低い傾向を示した。これらのことから,提案した登山食を摂取することで,登山中の血糖値が維持され,集中力の維持や疲労感の軽減につながる可能性が示唆された。
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