2018 Fiscal Year Research-status Report
IoT時代におけるインバウンド観光行動モデルの構築と地方創生に向けた政策提案
Project/Area Number |
17K18293
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
近藤 明子 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (60514081)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インバウンド観光 / SNS / IoT / 観光行動モデル / 空き家 / 実践的学習 / 地方創生 |
Outline of Annual Research Achievements |
インバウンド観光促進のため、インバウンド観光客が入手する情報や来日時のSNS投稿内容の詳細を明らかにするとともに、インバウンド観光に関係する事項についてそのメカニズムを定量的に明らかにした。 具体的には、次の通りである。1.国籍別のインバウンド観光客の事前入手情報とSNS投稿内容について、それらを整理分析し、特徴を明らかにした。このとき用いたデータは、Nightleyによる「inbound insight」および観光庁による「訪日外客人消費動向調査」である。これらの成果については、国際会議で発表済みである。2.国籍別のインバウンド観光客の来日時のSNS投稿内容をカテゴリ化し、詳細を明らかにした上で、国籍別の特徴を明らかにした。これに加え、投稿内容や投稿時の気持ちや感想により日本の観光に対する評価の1つとしてまとめた。このとき、投稿された内容のみならず、国籍別の投稿スタイルについても明らかにした。この成果は、国内会議で発表済みである。3.観光資源や宿泊施設となる空き家について、それに影響を与える要因を明らかにするために、モデル構築を行った。これにより観光促進につながるだけではなく、同時に社会問題となっている空き家の増加への対処方法の1つとなる可能性があることを明らかにした。モデル構築においては、ケーススタディ地域を徳島県の石井町とし、仮定したモデルを適用した。この成果については、都市計画学会論文集に論文として公刊されている。4.以上のような地域課題解決に向けた人材育成のため、ルーブリックおよびヒアリングにより、実践的学習の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では、平成29年度に行うことを予定していた訪日外国人の周遊行動を把握することができる統計データ(NTTドコモ:モバイル空間統計による訪日外国人統計データ)を用いた分析に取り掛かった。また、多様なデータを用いて、国籍別のインバウンド観光客の特徴を明らかにした。さらに、観光に深く関わる事項について定量的に明らかにするとともに、こういった社会問題に取り組む人材育成方法の検討にも着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間の成果や解析データを用いて、より精度の高い、インバウンド観光モデル構築に取り組む。そして、地方創生のための政策提案とシミュレーションを試みる。以下に具体的内容を示す。これらの研究成果を研究論文として公表するとともに、研究発表を行う予定である。 1.国籍別インバウンド観光客の行動について、さらに精度の高いモデル構築を行う。また、国内観光客に着目したモデルとの比較を行い、行動要因の違いを明らかにする。 2.地方創生のための地域政策の提案を行う。このとき、各地域が描く将来ビジョンを整理した上で、各地域の特性を活かした政策提案となるよう配慮する。 3.「1」で構築したモデルを用いて、「2」で提案する政策のシミュレーションを行う。
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Causes of Carryover |
これまで2年間で行った分析については、その範囲を限っており、分析補助をお願いしなかった。次年度では膨大なインバウンド観光やそれに係るSNS投稿内容、投稿場所、さらには国内観光等のデータ分析・データ加工補助に係る謝金を予定している。さらに、3年間の研究成果発表のための旅費および研究成果投稿料等の使用を計画している。
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Research Products
(4 results)