2017 Fiscal Year Research-status Report
産学連携の商品開発プロジェクトを通じた組織間学習プロセスの研究
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17K18296
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
森田 泰暢 福岡大学, 商学部, 准教授 (60622660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 組織間学習 / 産学連携教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初予定されていた長野県内における女子短期大学と卸売企業との商品開発プロジェクトに関するインタビュー調査について、主担当者2名へのものは終えることができている。企業における連携の主担当者は連携先短期大学の学生から自身の行動変革に結び付く「態度」を学習し、また教員からは商品開発の「プロセス」を学習していた。またその結果として、企業内で商品開発を整理するための商品開発シートに連携において学習された内容を落とし込むよう働きかけていた。結果として商品開発のスタイルに少しの変化を起こすに至っていた。主担当者以外のその他関係者についてはアンケート調査に切り替えることとなっているがこちらは未実施である。また福岡県内の食品企業と大学との連携については、前倒しでインタビュー調査を終えている。こちらも同様に学生からは「態度」を学習し、教員から「プロセス」を学習していた。その後、海外からの学生を受け入れるインターンシップを受け入れる過程で再度この商品開発プロセスを振り返りながらインターンシッププログラムの作成を行うことで、産学連携でのプロセスについて学習を深めていた。商品開発プロジェクトを経験後に、改めて商品開発を振り返る機会を両者ともに得たうえで、具体的なアウトプットにその痕跡を残すことで組織的な活動の変革に繋げていたという点は理解されている。一方で、2017年度はこれらの整理に留まっており、外部への発表等はできていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年5月に自身の右足首を骨折により、夏季休暇近くまで調査活動を行うことができなかった。夏季休暇以降調査活動に入ることができたため、長野県での商品開発プロジェクトについての卸売企業の産学連携主担当者に対するインタビュー調査を2度行うことができた。主担当者以外の関係者については部署異動が多くアンケート調査を行う予定だが、未実施である。その一方で福岡県の食品企業とのプロジェクトについては前倒しでインタビュー調査を行うことができた。これらインタビューの書き起こしおよび内容整理に現在は留まっている。2017年度はサービスデザインという本研究における研究対象のプロジェクトで使われた技法および定性的調査に関する研究セミナーやワークショップにも参加をし分析的視点の強化にも努めた。2018年度以降にその成果を活用したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はインタビュー結果と先行研究を整理したうえで、産学連携についての仮説的なモデル構築を進めていきたいと考えている。三重県の企業との商品開発プロジェクトのインタビュー調査を基に行う。その結果に基づき研究発表および論文執筆に繋げる。研究発表の場としては商品開発・管理学会や組織学会を予定している。また、当該プロジェクトの主担当者以外の関係者は異動等も行っていることから、アンケート調査も活用し、論理やモデルの補強および修正に繋げていく。
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Causes of Carryover |
2017年5月に足首骨折をし、入院・手術とリハビリテーションに時間を要してしまった。調査出張が後ろ倒しになってしまい、その整理等と併せ、学会報告への参加時間をとることができていなかった。調査手法の獲得については助成金を活用して実施することができたため、本年度は昨年度の研究調査の遅れを取り戻し、学会での報告および論文のアウトプットを積極的に行う。
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