2020 Fiscal Year Research-status Report
A Wearable Cervical Cooling System with Vital Monitoring for Prevention of the Heat Stroke
Project/Area Number |
17K18305
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
水野 裕志 大阪電気通信大学, 医療健康科学部, 特任講師 (30591234)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ウェアラブル / 熱中症予防 / 頸部 / 体温 / 脈波 / 環境情報 / WBGT / 冷却機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,首元で簡単に使用できる完全ウェアラブル型熱中症予防システムの開発を目的とする。バイタル情報並びに環境情報を融合させることで,暑さ指数WBGTに基づく熱中症の重症度を検出し,頸動脈の冷却を行い,医療機関から適切なアドバイスが受けられるシステムを構築する。2020年度は,厚生労働省が熱中症対策として推奨するWBGTの推算精度の向上および冷却機能の基礎検証を実施した。2020年度の研究成果は以下の通りである。 (1)WBGTの推算精度の向上を目的として提案した方法では,まず,WBGTの計測に必要な湿球温度を算出するためにJIS Z 8806:2001にある換算表にもとづいて気温と湿度をパラメータとする三次項モデルを作成した。次に,WBGTを推算できる既存モデルに三次項モデルを組み込むことにより,地域に限定されずにWBGTを算出できる独自の二要素モデルへ発展させた。試作した生体・環境センサ一体型熱中症予防デバイスを用いた比較検証の結果,実測値と推算値の比較では平均絶対誤差MAD:0.69℃を実現でき,これまで提案されてきた算出方法よりも精度良く且つ,気象庁のデータに頼ることなく生活環境でのWBGTを連続計測できることを示した。 (2)運動作業中の脈拍データに着目した冷却機能の基礎検証では,頸部を冷却しない場合と比較しても,運動後の脈拍数の落ち着きがより顕著であったことから体温と脈拍の上昇に伴う冷却機能には有効性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの課題であった熱中症予防の指標となるWBGTの予測精度が向上し,基礎検証として運動作業時の各種センサデータの収集を実施したものの,コロナ禍の影響で対象者の確保やデータ解析が困難であった。このように,実験デザインの環境が整えることができなかったのが,遅れの理由の一つであると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,前年度に引き続き,運動作業時の各種センサデータの収集に加え、冷却機能の有効性などを数値解析的に示す。
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Causes of Carryover |
熱中症予防の指標となるWBGTの予測精度が向上し,バイタルデータとの融合解析を予定していたが,コロナ禍の影響で予定していた検証を進めることが困難であったため,次年度使用額が生じた理由の一つである。
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Research Products
(4 results)