2018 Fiscal Year Research-status Report
多数派集団である日本人幼児を対象にした多文化共生保育プログラムの開発と評価
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17K18309
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Research Institution | Kanto Junior College |
Principal Investigator |
松尾 由美 関東短期大学, その他部局等, 講師 (50711628)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多文化共生保育 / 国際理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、先行研究のレビューを概括したところ、幼児を対象にした研究はまだ知見が十分に蓄積しておらず、より教育効果の高いプログラムを開発するためには、幼児の実態を把握した上で、様々な理論的背景を取り入れる必要性があると考えられた。そこで、本年度は、幼児教育の現場において、多数派集団に属する日本の子どもたちの国際理解・多文化共生の意識を高めるために実際にどのような取り組みが行われ、日本の子どもたちと外国の人との関係に関してどのような困りごとを抱えているのか、実態を明らかにすることを目的に質問紙調査を行い、現役の保育者70名を分析対象とした。70名中63名(90%)が勤務先に外国にルーツを持つ子どもが在籍していると回答した。 日本の子どもたちの国際理解・多文化共生の意識を高めるための取り組みとして「外部講師から英語を学ぶ」機会を設けているという回答が最も多く、続いて「自分とは異なる国籍や民族の人と仲良く遊んだり交流する主人公が登場する絵本や本を先生が紹介する」機会を設けているという回答が多かった。しかし、昨年度行った先行研究のレビューでは、絵本やテレビ番組などのメディアを通じた代理接触(例:セサミストリートのように外集団成員との交流を描かれている絵本やテレビ番組を視聴する)は幼児を対象にした研究では知見が一貫しておらず、その有効性は不明瞭である。保育の現場において絵本を通じた代理接触は、これまでも行われており、本研究で開発するプログラムにおいても、絵本を用いることで現場での活用に有用だと考えられる。一方で、プログラム開発に当たり、知見を再整理し、有効性を高める方法や内容を検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、今年度中に多文化共生保育プログラムを開発し、専門家等の助言に基づき修正を行う予定であった。昨年度、先行研究のレビューを行ったところ、幼児を対象にした研究はまだ知見が十分に蓄積されていなかった。より教育効果の高いプログラムを開発するために、多数派集団に属する日本の子どもの実態を明らかにする必要があると考えた。そこで、今年度、保育現場での日本の子どもたちの国際理解・多文化共生の意識を高めるために行われている保育を明らかにするため保育者を対象に実態調査を行った。その結果、絵本を用いた多文化共生保育が多く取り入れられており、本研究においても絵本を用いることで現場で活用されやすいものとなると考えられる。加えて、産前産後の休暇又は育児休業に伴い、研究を中断したため、プログラム開発・改良までには至らず、当初の予定よりも進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度行った実態調査により、絵本を用いた多文化共生保育が多く取り入れられており、本研究で開発するプログラムにおいても、絵本を活用することで、保育現場で取り組みやすいものとなると考えられる。一方で、絵本やテレビ番組などのメディアを通じた代理接触は幼児を対象にした研究では知見が一貫していない。今年度、プログラム開発に当たり、知見を再整理し、有効性を高める方法や内容を検討した上で、より有効性の高いプログラムを開発し、専門家らの助言を仰ぐ予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、日本の子どもたちを対象にした多文化共生保育の実態調査を行い、実態に合わせた多文化共生保育プログラムを開発・専門家の助言に基づく修正を行う予定であった。しかし、産前産後の休暇又は育児休業に伴い、研究を中断したため、プログラム開発・改良までには至らなかった。そのため、今年度、プログラムの開発・改善のために使用予定の予算を使用せず、次年度に繰り越すこととした。次年度、プログラムの開発・専門家等の助言による改善を行う際に、繰り越した予算を使用する計画である。
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