2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K18319
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Research Institution | Kumamoto Industrial Research Institute |
Principal Investigator |
渡辺 秀典 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究員 (10734288)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視線 / 熟練者 / 生育診断 / 画像計測 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では熟練者が稲の生育診断を行う際の視線を取得し、熟練者の視線が生育診断の機械化に向けて有効な特徴となり得るか検討を行っている。当初予定では、本年度は広範囲の圃場を測定するための研究を重点的に実施する予定だったが、その基礎となる部分に課題があることから前年度に引き続き基礎部分に重点を置き研究を遂行した。 前年度の研究では、撮影された圃場画像は実際には色むらがない圃場であったとしても場所によって葉の色が変化して見える、という問題があり視線データをそのまま活用することが困難であるという課題があることが明らかになった。このことから、当該年度の研究では画像補正技術によって圃場画像の葉の色が変化して見える課題を解決することができないかという観点から研究を遂行した。人間の視覚特性をモデル化した画像処理法や機械学習を取り入れたものなど3種類の補正方法について実験を行い補正を試みたが、これまでに取得された圃場画像データベースの画像に対しては3種類のいずれも色の変化の課題を解決するに至らなかった。また、視線解析の精度向上のため本年度も視線データの取得を行った。熟練者と初心者の視線データを同時に取得し、傾向を比較することができた。 色の変化の課題に対し、他の研究者からアドバイスをいただいたり新技術の調査を行うなど課題の克服について取り組んだ。圃場画像取得時にどのような環境要因があり、どのように画像に影響しているのかを調査したほうが良いとのアドバイスを受け、画像撮影時に環境データも合わせて取得するためのシステムを導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に引き続き、圃場画像の場所によって色の変化が見られる課題に取り組んだが解決に至らなかった。高所から斜め方向に撮影した圃場画像も取得したが、前述の課題と同様の課題があることが確認されたため、前述の課題の解決が急務となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは圃場画像における場所依存の色の変化の課題に取り組む。(1)色が変化する要因を特定し対策を講じる、(2)圃場画像のうち色の変化が少ない部分を利用して生育診断を行い、その際の視線を取得することで、色の変化の影響を受けないようにする、という2つの方針で課題解決に取り組む予定である。また、広範囲の圃場の生育診断を実現できるようデータの取得、解析を進める予定である。
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