2018 Fiscal Year Research-status Report
赤血球自己散乱情報に基づく血管内脈動血流動場の定量的可視化
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17K18321
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
経田 僚昭 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血流計 / LDV / AOM |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は視野拡大Laser Doppler Velocimetry (LDV)の多点化について検討し、レーザー交差領域の拡大化を図った。本研究は一点計測LDVの計測原理に基づいて血流計測できる装置の開発を目的とする。生体内における血液の流れ方や血流量は病理を診断する上での重要な情報である。言い換えれば、血流を計測することは病理診断の根拠を得る指標になる。本研究はレーザーによる完全非侵襲計測が可能なLDVを構築し、かつ多点計測することで血流速の空間分布情報を得る流速計測システムの開発を目的とする。多点計測は計測領域の拡大技術によって実現される。今年度は一点計測LDVの光学系をベースに、各光学素子を配置を変更することで計測領域の拡大を達成できたことが成果であった。また、血流計測においては血流速の情報と合わせて血液の流れる方向も合わせて判別する必要がある。次年度の課題として、血流速のベクトルを計測結果として表示するためのAcoustic Optical Module (AOM) を組み込んだLDVを開発していく。AOMを取り入れたLDVはすでに開発され、製品化もなされているが、我々独自に開発した多点LDVにAOMを導入した計測系は血流計測装置として魅力的なツールとなる。 LDVの計測系は昨年度より構築が進んでおり、データ処理系や光信号のアンプ回路までも構築指針は得られている。また実験室レベルでの動作確認のために幅・高さともに1.4mmの細流路も用意した。すなわち、多点化に向けた取り組みのベースはこれまでの2年間で進んだことで来年度にかけて、アンプ回路を増やし、イメージング画像の取得を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の終わりには、本年度の課題として、レーザー計測領域の拡大を挙げていたが、光学要素の位置関係のみで送光系におけるレーザー光さ領域の広さに制約されないLDVを構築する知見を得たため、おおむね順調に進展していると評価した。次年度の課題はLDVの血流計測を行うことである。
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Strategy for Future Research Activity |
送光系における計測領域の拡大はおおむね達成できたことから次なる課題はLDVの血流速計測を行い、その結果の出力までを行うことである。赤血球からの光散乱信号をいかに取得しながら血流速情報のアウトプットまでを達成するかが次年度の課題である。
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Causes of Carryover |
今年度はレーザー送光系からの観点から計測領域の拡大を図ることが研究推進の位置付けであった。スネルの法則をベースとした光路計算によって拡大指針を検討したところ、これまでに用意したレンズ系統で十分な広さでレーザー光の重ね合わせ領域を得ることができた。すなわち、レンズ素子を購入して検討するような物品費を抑制できたことが次年度への使用額が生じる結果となった。一方で光信号を取得してからPCに取り込むまでの必要な機器(ADボードなど)の増設が次年度での課題となる。また、今年度は受光系での重要な要素となる光ファイバーアレイについても実験室で製作するノウハウを得ることもできた。以上、今年度までに解決した送光系の受光部からさらに受光部、データ処理系の一連の機器の増設を次年度の執行予算として計画している。
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