2019 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging of fibrin network formation using a birefringence measuring system
Project/Area Number |
17K18323
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
横山 直幸 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (90710591)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血液凝固 / 複屈折位相差 / フィブリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血液凝固における血栓前駆段階であるフィブリノーゲン切断からフィブリンモノマー凝集、立体構造形成を検出する方法論の確立を主目的として、実験系の構築と豚血液を用いた実験評価を行った。 構築した複屈折位相差の定量を目的とした光学系は、850nmの赤外レーザを偏光子及び1/4波長板を用いて円偏光として試料へ照射し、試料透過により複屈折を生ずることで直行する2軸方向に対して位相がずれた楕円偏光を、再び1/4波長板と偏光子により直線偏光へと戻してホトダイオードにより受光するものである。試料により変化した位相分だけ、ホトダイオードの受光光強度が増加するシステムとなっている(複屈折が生じない状態で最小電圧となるように調整)。この光学系における4つの光学素子(偏光子2枚、1/4波長板2枚)を除去することで、試料における吸光度を定量できるシステムとなっている。 前述の光学系を用いて、血漿に対する「複屈折位相差計測」と「吸光度計測」とを行った。これにより、フィブリンモノマー凝集に伴って生成する異方性物質による複屈折位相差と、その後の凝固過程でフィブリン立体構造(血栓の足場構造)の形成による吸光度増加を経過時間的に計測し、これまで検出が不可能とされてきたフィブリンモノマー凝集の検出方法としての妥当性評価を行った。 豚新鮮血液を用いた実験の結果、複屈折位相差は吸光による受光強度低下から1.053±0.791分だけ早くピーク値が生じ、本研究で提案する計測方法を用いることで早期に血液凝固を検出できることがわかった。なお、複屈折によるホトダイオードの電圧増加は、血液の抗凝固(クエン酸Na)を解除して凝固が始まってから0.926±0.618分後に検出ピークが生じており、血栓の足場形成に伴う吸光度増加は1.978±0.815分後にピークが検出された。
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