2018 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of a systematic control method of an active controlled caster, and realization of a low vibration / low impact cart by multiple control of active controlled casters
Project/Area Number |
17K18324
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
須田 敦 奈良工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (90743211)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キャスター / 振動 / 衝撃 / 制御 / スイープ(掃引)実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
振動や衝撃を嫌う物品の運搬・搬送では,路面の突起乗越えなどの外乱の影響を伝達しない手法にニーズがある.本研究を通じ最終的に,貨物や荷物の運搬用ハンドトラック(台車)に関して,低衝撃・低振動を実現する台車の実用化を目指す.特に,本研究では台車に使用するキャスターに着目する.これまでにパッシブ型の減衰要素や緩衝機構をもつキャスターの研究を進めてきたが,産業界が求める性能にはまだ達していない.物品に伝達される衝撃加速度のさらなる緩和や残留振動時間のさらなる低下などの,より低衝撃・低振動性能を有する台車の実現が求められるようになった.そこで研究代表者らはこれまでに,アクティブ型のダンパを搭載したキャスターの研究を進め,キャスター単体の試作・評価を行ってきた.本研究を通じ,これまで試行錯誤的であった制御手法を見直し,制御手法を体系的に明らかにする.さらに,実環境で性能検証し,低衝撃・低振動性能台車の実現を目指す. 実験装置(制御対象)のばね定数などのパラメータは,要素ごとのカタログ値をもとにシミュレーションしていたが,製品のばらつきや加工・組付け誤差を考慮していなかった.そこで,スイープ実験(掃引実験)を行い,これまでに基礎研究を行っているモデルをもとにしたシミュレーションと比較し,モデルパラメータの同定を行った.実証実験に向けて,実験システムを再検討した. 制御手法については,これまでは勘と経験によって試行錯誤的に決定していた部分があるので,学術的に体系立てて再設計している.例えば,制御手法の一つとしてH無限大制御や,振動系の解析や制御の分野でよく用いられるモード解析の手法を応用することを検討した.実際にH無限大制御制御器を設計し,実装実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験システムの再構築を行ったが,実験に使用する加速度センサを新たに調達・製作しなければならない事情が発生し,仕様の見直しなども含めやや時間を要した.さらに,ノイズの対策が不十分で,特定に時間を要したことから,予定していた再構築は計画途上である. 制御手法の実装実験を行ったが,ノイズなども含め当初予期していないことが起きた.そのため,やや時間を要しているが,他機関の協力者にも協力してもらえる体制を築いているので,おおむね順調である. よって総合すると研究の進捗はやや遅れているが,おおむね実験やシミュレーションが順調に進んでおり,最終年度内に完了できるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況にやや遅れが生じているので,応用研究として位置付けていた搬送重量の変化に対応する制御方法の開発を,一時中断するなどし,研究計画を見直し遅れの解消に努める.研究協力者らとの相談を定期的に実施し,客観的な意見をいただき研究のPDCAサイクルを構築し効果的に進める予定である.
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Causes of Carryover |
当初,導入設備の価格改定や,所属研究機関の異動があり,本研究を実施するための研究環境に変化があったため.数値計算ソフトウェア,設計解析ソフトウェアを新たに導入する必要があり計画を見直していたため,次年度使用額が生じた.
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