2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a markup language for qualitative descriptions of communication
Project/Area Number |
17K18330
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
牧野 遼作 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (10780637)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 会話分析 / 人文情報学 / 相互行為分析 / コミュニケーションの定性的記述 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度に収録した会話データ,及び収集した会話データの書き起こしを元に定性的記述の出力システムの開発を行った.本年度では入力フォーマットとして,The Language Archivesの作成した動画・音声注釈作成ツールELANの出力先フォーマットとしては,国内外で広く普及する会話分析におけるトランスクリプトを目標として設定した.会話データの定性的記述のフォーマットとしては社会学の会話分析で採用されているフォーマットが国内外にて広く普及している.このフォーマットは,会話の発話の引き伸ばし,語気の強さや,発話・身体動作間の時間的重なりを表記することができるものとなっている.これまで,このフォーマットは研究者によってWord・テキストファイルによって形成されてきた.一方では,近年では,動画と注釈(書き起こし)を同一画面上にしながら作業可能なソフトウェア(ELAN)が公開されている.このことから,これまでの定性的記述作成の手順は,収録した動画・音声データに対して,(1)専門的ソフトウェアによる書き起こし,(2)会話分析フォーマットへの変換の2つの手順を人手で行う必要があった.本研究では,(2)会話分析フォーマットへの変換を自動化するプログラムとなる.本発明プログラムでは,特に発話・身体動作記述間の時間的重なり表現の調整を行えるプログラムの作成をおこなった.この調整のために,重なりの記号のインデックスの追記ルールを制定した.また同時に重なりの記号によって記述を分割し,その分割に合わせたインデントを自動的に記入するプログラムを作成した.本プログラムについては,現在特許出願を予定している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画で予定していたプログラムのコアの部分の作成を完了することができ,2017年度に収集した会話データでのテストの実施も行い,様々な会話場面に対応可能であることを検証を進めることもでき,2019年度におけるシステムのデモ公開・及び本公開に向けて,本研究計画は順調に進展していると評価できる.
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度に作成したプログラムのコアを踏まえて,今後は定性的記述分析を行う研究者に寄り添ったフォーマットへの変換を可能とする.具体的には入力ソースとしてタブ区切りのテキスト・ワードファイルの使用,まWordファイルへの出力を可能とする.上記システムを夏までの完成として,秋以降はシステムについての発表及び,デモ利用者の募集を行い,システムの改良・改善に務める予定である.
|
Causes of Carryover |
2018年度は,プログラムシステム作成の人件費として主に研究費を使用した.こちらのシステムについて特許出願を予定することとなったため,国内・国外での発表などを取りやめ,システム完成・特許出願後の2019年度に利用する.
|