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2017 Fiscal Year Research-status Report

メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の腫瘍消退機序の解明

Research Project

Project/Area Number 17K18335
Research InstitutionJapanese Foundation for Cancer Research

Principal Investigator

土橋 映仁  公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (40772249)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywordsメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 / リンパ腫 / 全エクソンシーケンス / 全ゲノムバイサルファイトシーケンス
Outline of Annual Research Achievements

メトトレキサート(MTX)関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)は、MTXの中止だけで消退することのあるリンパ腫である。MTX-LPDは、MTX投与中の患者に発生するリンパ増殖性疾患である。LPDには、リンパ腫、反応性過形成、境界領域病変が含まれるが、臨床上問題となるのはリンパ腫である。MTXの中止だけで、寛解が得られる症例は、約30%であり、Epstein-Barr virus (EBV) 感染例で寛解率が高いとされている。MTX-LPDの病理組織像は、様々なリンパ腫に渡るが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) が最も多い (Swerdlow SH, et al. IARC Press. 2008)。これまで、遺伝的な背景は、リンパ腫組織型と似ており、差はみられないとされてきた。また、EBVの再活性化がMTX-LPDの発症と関連していることが示唆されてきた。しかし、いずれも遺伝子網羅的な解析は行われておらず、本研究では、MTX-LPDの遺伝子網羅的な解析を進めてきた。
平成29年度は、現在利用可能な検体の臨床病理学的データベースの構築を進め、MTXの中止だけで消退したLPDと化学療法を必要としたLPDの間の差を検討した。また、予備実験として行われた17例のRNAシーケンスに加えて、9例の全エクソンシーケンス、8例の全ゲノムバイサルファイトシーケンスを行った。全エクソンシーケンスは、表現型の背景を揃えるため、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の形態を示す検体のみを行った。MTXを中止するだけでリンパ腫が改善する検体においては、6個の遺伝子に変異が認められた。いずれの遺伝子もヒストン・メチル化酵素、関節リウマチの鍵となる遺伝子であった。今後は、これらの遺伝子変異を多数例で検証するとともに、EBVの構造やコピー数の解析をキャプチャーシーケンスにて行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画においては、平成29年度は、DNAシーケンス解析を中心に行い、①RNA構造変異を起こすゲノム異常の同定、②SHM対象遺伝子の同定、③EBVの構造やコピー数の解析を行う予定であった。現在、予備実験として行われた17例のRNAシーケンスに加えて、9例の全エクソンシーケンス、8例の全ゲノムバイサルファイトシーケンスを行っており、RNAシーケンス、全エクソンシーケンスにて、MTXを中止するだけでリンパ腫が改善する検体において、6個の遺伝子の変異が多いことを検出している。これらの検証のためには、研究計画に記載した全ゲノムシーケンスより、EBVの構造やコピー数の解析を含めた多数例でのターゲットシーケンスの方が効率的であると考えられ、6個の遺伝子の変異を含むターゲットシーケンスを設計した。また、並行して、さらなる検体の収集を行っている。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度は、研究計画通り、引き続き、④MTX中止のみで改善した例と化学療法を必要とした例の比較検討を行い、⑤多検体での検証を行うことで、MTX-LPDが消退する機序の解明につなげる。平成29年度に作成した臨床病理学的データベースと各検体の解析結果をあわせ、MTX中止のみで改善した例と化学療法を必要とした例の比較検討を行う。RNAシーケンスの発現比較も行い、違いを明らかとする。本研究では、現在、MTX-LPD 30例の検体を用いることが可能である。これらの検体について、④で得られたMTX中止のみで改善した例と化学療法を必要とした例の違いを検証する。臨床データも用いることで、再発の有無、MTX使用量、期間との関連なども合わせて検討する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] MYB and MYBL1 in adenoid cystic carcinoma: diversity in the mode of genomic rearrangement and transcripts2018

    • Author(s)
      Togashi Yuki、Dobashi Akito、Sakata Seiji、Sato Yukiko、Baba Satoko、Seto Akira、Mitani Hiroki、Kawabata Kazuyoshi、Takeuchi Kengo
    • Journal Title

      Modern Pathology

      Volume: 印刷中 Pages: 印刷中

    • DOI

      10.1038/s41379-018-0008-8

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Epstein-Barr virus-negative extranodal “true” natural killer-cell lymphoma harbouring a KDM6A mutation2017

    • Author(s)
      Tsuyama Naoko、Asaka Reimi、Dobashi Akito、Baba Satoko、Mishima Yuko、Ueda Kyoko、Oguchi Masahiko、Tsuji Hideki、Hatake Kiyohiko、Takeuchi Kengo
    • Journal Title

      Hematological Oncology

      Volume: 36 Pages: 328~335

    • DOI

      10.1002/hon.2459

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Anaplastic large cell lymphoma: pathology, genetics, and clinical aspects2017

    • Author(s)
      Tsuyama Naoko、Sakamoto Kana、Sakata Seiji、Dobashi Akito、Takeuchi Kengo
    • Journal Title

      Journal of Clinical and Experimental Hematopathology

      Volume: 57 Pages: 120~142

    • DOI

      10.3960/jslrt.17023

    • Open Access
  • [Presentation] Sequence Read Archiveデータの再解析による新たな遺伝子異常の検出2017

    • Author(s)
      土橋映仁
    • Organizer
      NGS現場の会 第五回研究会
  • [Presentation] 「17p欠損を伴うTP53変異」および「OSBPL10変異」はdiffuse large B-cell lymphomaの独立した予後因子である2017

    • Author(s)
      土橋映仁、冨樫由紀、横山雅大、津山直子、馬場郷子、坂田征士、森誠一、畠清彦、山口俊晴、野田哲生、竹内賢吾
    • Organizer
      第57回日本リンパ網内系学会総会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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