2019 Fiscal Year Annual Research Report
A hyper-resolution land data assimilation system
Project/Area Number |
17K18352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 洋平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30784475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データ同化 / 陸域モデル / マイクロ波衛星観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は高解像度な陸域モデルに適したデータ同化手法を開発し、河川流域スケールから全球スケールまでの陸域の水・エネルギー・生態系のシミュレーションを高度化することである。非常に計算コストが大きく、非線形な物理が絡む超高解像度陸域モデルに適した超高解像度陸域データ同化手法の理論化を行い、超高解像度陸域データ同化システムを構築する。 最終年度である本年度は、機械学習を有効活用することで、高解像度モデルに対応した非常に計算コストの小さいモデルパラメータの最適化と不確実性定量化のアルゴリズム提案に成功した。従来は不可能であった陸域モデルのパラメータの完全な事後確率分布をマイクロ波衛星観測に基づいて現実的な計算時間で求めることに成功した。これにより、陸域モデルによるシミュレーションに内在する不確実性を正確に見積もることができ、将来のアンサンブル予測等に大きく貢献できる。 また、北アフリカやブラジル北東部への陸域データ同化システムの応用を進め、開発したシステムが干ばつの監視と予測に有効であることを示した。 研究期間全体を通じ、陸域データ同化の理論研究からシステム開発、さらには現実事例への応用まで、広範な研究成果を得ることができた。これらの成果は、(1)データ同化の基礎理論への貢献、(2)ますます高解像度化が進む陸域モデリングへの貢献、(3)様々なスケールでの陸域水・熱・炭素循環への理解、(4)高分解能な水災害予測、といった観点から意義のある真に基盤的なものである。
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