2019 Fiscal Year Research-status Report
肺に長期間常在する記憶型Th17細胞に、肺内三次リンパ組織の共局在が必要か?
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17K18385
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
上野 圭吾 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (10550220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Cryptococcus gattii / Lung-resident T cells / Memory Th17 cells / Intranasal vaccine |
Outline of Annual Research Achievements |
病原性真菌Cryptococcus gattiiは、健常人に感染する。しばしば、予後不良なクリプトコックス症を引き起こすことから、公衆衛生学上の課題となっており、新規ワクチンの開発が望まれている。申請者は、クリプトコックス症の予後を有意に改善する樹状細胞 (DC) ワクチンを独自に開発し、そのワクチンが肺常在性記憶型Th17細胞 (Lung TRM17)を誘導することやLung TRM17が担う生体防御機構や分解維持機構を報告した (Ueno et al., Mucosal Immuno, 2019; Med Mycol, 2019)。 その後の解析で新規経鼻ワクチンに使用するワクチン抗原開発に成功した (Ueno et al., PLOS ONE, 2019). この抗原を使用した新規経鼻ワクチンには、DCワクチンと同様、肺常在性記憶型T細胞を誘導する活性があること、病態を有意に改善することを報告した (上野ら, 第63回 日本医真菌学会総会, 2019; 第93回 日本細菌学会総会, 2020 他)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 新規ワクチン抗原の開発に成功し国際誌に報告した (Ueno et al., PLOS ONE, 2019), (2) 新規経鼻ワクチンの病態改善作用やワクチンが誘導する肺常在性記憶型T細胞について国内の学会や研究会で発表した (上野ら, 日本医真菌学会総会 2019; 日本細菌学会総会, 2020 他)。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 経鼻ワクチン投与群において、感染早期及び感染後期に肺に集積し活性化する免疫細胞を特定し、その感染制御作用を解析をする。(2) 集積と活性化に及ぼす肺常在性記憶型T細胞の役割を解析する。(3) それらの知見を基づいて、経鼻ワクチンの改良を試みる。
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Causes of Carryover |
本研究課題の研究成果を学術誌に投稿するため、追加実験、英文校正、論文投稿にかかる経費に充当する。
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Research Products
(6 results)