2020 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis and its aplication on lung-resident memory Th17 cells
Project/Area Number |
17K18385
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
上野 圭吾 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (10550220)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Cryptococcus gattii / Th17細胞 / iBALT / 顆粒球 / ワクチン / CD11b |
Outline of Annual Research Achievements |
病原性真菌Cryptococcus gattiiは健常人に感染し、予後不良なクリプトコックス症を引き起こすことから、新規ワクチンの開発が望まれている。樹状細胞ワクチンの開発 (Ueno et al., Mucosal Immunol, 2018)に引き続き、2種類の新規経鼻ワクチンの開発にも成功した (上野ら, 第64回 日本医真菌学会総会, 2020 他)。樹状細胞ワクチンと経鼻ワクチンは、CD4陽性肺常在性記憶型T細胞 (lung CD4 TRMs)を誘導する点で共通するが、抗原再刺激に伴うサイトカイン産生プロファイルは一致しなかった。凍結切片における免疫組織学的解析では、lung CD4 TRMsは細気管支と血管が隣接する間質領域に小さく濾胞状に局在していることが明らかになり、B細胞の局在とは一致しなかった。このことは、両ワクチンが誘導するlung CD4 TRMsは肺内の三次リンパ組織とは独立して維持されている可能性を示唆している。 樹状細胞ワクチンと経鼻ワクチンは、感染後に顆粒球を誘導する点でも類似する。樹状細胞ワクチンが誘導する好中球は、オプソニン化や補体受容体依存的に菌体を貪食し殺菌することを明らかにしたが (Ueno et al., Med Mycol, 2019)、自然免疫においてC. gattiiを直接認識する抗原受容体や本菌の免疫回避機構については、不明であった。今年度は、顆粒球に普遍的に発現しているインテグリン受容体 CD11bが、補体非依存的にC. gattiiを認識する受容体であることを特定した。CD11bは菌体に直接結合することができ、 食細胞におけるSyk経路の活性化・菌体貪食・サイトカイン産生に必要な受容体であった。C. gattiiの莢膜多糖は、CD11bに認識される抗原を被覆しており、莢膜欠損株の熱処理死菌を培養上清中の莢膜多糖で処理すると貪食反応などの免疫応答を回避した (Ueno et al., Eur J Immunol, 2021)。これらの知見は、今後のワクチン開発において基盤情報となると考えられる。
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Research Products
(3 results)